約 2,455,967 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1788.html
虐待というより駆除? 「まりさ!ゆっくりがんばってね!!!」 「ゆっ!」 新婚のゆっくりれいむは、頬擦りをして番のゆっくりまりさを巣から送り出す。れいむの頭には蔓が伸びている。そこから5匹の木の実のようなものが伸びている。このまま順調に行けば、明日には出産だ。 妊娠中のれいむのためにも、赤ちゃんのためにも、いつもより多く餌を取らなければならない。まりさは張り切っていた。 虫や比較的美味しい草などを帽子に詰め、まりさは行進する。すると見慣れないものを見かけた。普段のルートから少しはずれた結果、美味しいものにありつけたのだ。 「ゆっ…これはりんごさんのきだよ!りんごさんはゆっくりできるくだものだよ!」 まりさはそういいながら、林檎の木の周りをうろつく。 まりさに違わず、ゆっくりは林檎が大好きな傾向にある。野生の林檎の木は人間からすればかなり不味いが、ゆっくりからすれば貴重な甘味なのだ。 林檎は残念だが2つしか落ちていなかった。しかし木には、いくつかの林檎がなっている。今日の分はこれで確保できそうだ。まりさはひとまず、落ちていた2つの林檎を帽子にいれた。 「れいむはよろこぶよ!…りんごのきさん、りんごをゆっくりおとしてね!」 まりさは跳ねながら頼むが、無論落ちてくるわけがない。無知なゆっくりでもそれくらいは知っている。 「ゆ…そうだ!」 まりさはあることを思いついた。 遠くにいるドスまりさという個体は、木に体当たりをすることでそこから木の実を落としていたというではないか。自分の体は小さいが、何度も繰り返せば落とせるかもしれない。 まりさは名案とばかりに木に体当たりを始めた。しかし饅頭の体では、体当たり一回が体に大きなダメージとしてのしかかる。 「ゆびっ…ゆびゃっ…まりさはがんばるよ…れいむのためだよ…!」 そのまりさのひたむきな思いが通じたのか、ドサッという音を立て、赤くなりかけたりんごが1つ落ちてきた。まりさはすかさずそれを舌で掬い取り、帽子の中に入れる。 「あと2つ…がんばるよ!まっててねれいむ!」 再び体当たりを始めるまりさ。そのひたむきさには、普通の人間ですら心打たれるものがある。このゆっくりは、自分ではなく伴侶のためにがんばっているのだ。 「ゆべっ…ゆべっ…」 虐待お兄さんでもない限り、この姿を見れば感動することだろう。ゆっくりんピースが見れば、これを撮影してドキュメンタリーでも作りそうな勢いである。 「ゆひぃ…!」 餡子を吐きそうになるが、それでも体当たりを続ける。そして、再びまりさの近くで何かが落ちたようなドサッという音が聞こえてきた。 「ゆっ!りんごさん!」 その音が聞こえた方向へぴょんぴょんと跳ねていくまりさ。しかしそこにあったものは、 「ブゥゥゥゥゥゥゥン…!」 「ゆぅ!?」 スズメバチの巣であった。実はこの林檎の木には、スズメバチが巣を作っていたのである。 「は、はちさんだよ!」 スズメバチはまりさを見るなり、猛烈な速度で襲い掛かってきた。巣の中のスズメバチが一斉攻撃する形である。これをされると、人間はもちろん妖怪ですら死にかねないのだ。 「ゆぎゃあああああああああ!!!いだいいいいいいいい!!!ごめんなざいいいいい!!!おぎゃあじゃあああああああんん!!れいぶうううううう!!!」 まりさはいそいで巣に帰る。巣に戻って急いで蓋をすれば、蜂は入ってこない。そう考えた。 痛みにのた打ち回りながらも、まりさは気力を振り絞ってなんとか巣にもどる。 「れいぶううう!!!ゆっぐりどびらをじめでねぇぇぇぇぇ!!!」 「ゆっ?おかえりまりさ!」 まりさは泣き叫びながられいむに懇願するが、ゆっくりの餡子脳の処理速度や、番が妊娠中であることから、その願いは通じることはなかった。 巣の中に、五十匹近くのスズメバチが入り、新たな獲物のれいむと、その頭から伸びたツルの先にいる赤ん坊を指し始める。 「ゆぴっ」 「ゆぴゃ」 赤ゆっくりは刺された瞬間、白目をむいて絶命した。 「れ、れいぶのごおおおおお!!!あがっ!!!じゃんがっ!!!まりざああああなんでごんなのづれでぎだのおおおおお!!!!」 「ごべんなざいいいいい!!!」 れいむとまりさも、蜂の襲撃にのた打ち回る。まりさは善良な個体であったが、れいむは…まぁ下衆の家庭だったのだろう。恨み言を叫んでまりさを罵倒していた。 最初の1個でやめておけば、このひたむきなまりさは蜂に襲われずに済んだのであろうに。 ちなみにその林檎は、蜂の襲撃後、傷だらけになってしまったれいむにすべて食べさせた。 まりさは痛む体を引きずり、なんとか餌も探した。自身も命が危ないほど傷だらけだったにも関わらず、まりさはれいむを看病したのである。ゆっくりんピースが見れば本当にドキュメンタリーを作りかねない。 しかしそんな罪滅ぼしが、自分勝手な下衆れいむに通じるはずもない。完全回復したれいむは、これまでの恨みとばかりに伴侶だったまりさを体当たりでつぶし、新たな伴侶を求めて旅立っていった。 もちろん、蜂のせいで顔がボコボコになったれいむなど、誰も相手にしない。自分を最も愛してくれるゆっくりをその手で殺したれいむは、その落とし前を自分でつける羽目になったのだった。よかったね、れいむ。 おまけ 「ゆっへっへ…このまりささまがりんごをたべてあげるんだぜ!かんしゃするんだぜ!」 1匹の尊大な態度のまりさが、蜂の巣の落ちていた林檎の木に体当たりをする。この手の態度を取るまりさは、100%下衆である。 林檎はあっさりと落ちてきた。下衆まりさの頭上に、ずっしりとした重みを伴って。 「ゆびべっ」 下衆まりさの頭に林檎が直撃する。普通のゆっくりなら即死だったが、まりさ種は帽子のおかげで、頭上からの敵に多少強い。下衆まりさは体当たりによる喧嘩やいじめを繰り返してきていたため、頭の皮が多少固くなっていた。 しかし、当たり所が悪かった。 「…ゆ?…め、めが!!!まりさのぷりちぃなおめめがみえないんだぜぇぇぇぇぇ!!?」 目の真上に落ちてきた林檎は、柔らかい皮を突き破り、まりさの目を器用に抉り出した。まぁようはビーダマンからビー玉が発射されるような感じで、目が発射されたのだ。 そして運の悪いことに、その目の先には、 「ゆぴょ」 ある家族が外に遊びに出していた、不幸な赤ちゃんまりさがいた。凄まじい速度で襲い掛かった謎の外敵になす術もなく、赤まりさは潰れてその命を全うした。 「ゆ?どうしたのあか…れいぶのあがじゃんがああああああ!!!」 「おねえじゃああああああんん!!!」 近くにいた家族が大騒ぎし始める。その赤まりさの母親であったれいむは、すぐに危害を加えた者を発見した。 「…あのまりざだああああ!!!ごのげすまりざめぇぇぇぇぇ!!!」 「おねえじゃんをがえぜぇぇぇぇぇえ!!!」 「ゆっぐりじねぇえぇぇ!!!」 「ゆびっ、ゆびゃっ…ま、まりざがなにをじだっでいうんだぜぇぇぇぇ!?」 「とぼけるなあぁぁぁぁぁ!!!よぐも、よぐもれいぶのあがじゃんをおおおおおお!!」 「ゆびゃあぁ!」 そして、その赤まりさの家族に袋叩きにあって死亡した。 「もっど…ゆっぐりじだがっだよ…」 下衆まりさが死んだことを確認し、母れいむは子供を止めて一息つく。するとれいむの目の前に、ゆっくりできるもの…林檎が落ちているのが目に入った。 「ゆ、りんごさんだ!あかちゃん、これはりんごさんっていってとってもゆっくりできるたべものだよ!おかあさんがたべさせてあげるから、ゆっくりくちをひらいてね!」 先ほど死んだ自分の愛しの我が子と、そして下衆まりさのことなど既に餡子脳の中にはない。この切り替えの早さと異常なまでの繁殖力が、ゆっくりを増やした原因ではないかと言われている。 「ゆーん!かわいいれいむからたべしゃせちぇにぇ!!」 「ゆっ!?ま、まりさのほうがかわいいよ!!」 「よくばるこにはあげないよ!」 「ま、まりさはやっぱりかわいくないよ!!」 そんなやり取りをしながら、母れいむは林檎を噛み砕こうとする。しかし… 「ゆぎぇ!?」 その林檎は予想外に堅かった。奥歯がベキン、という音を立てて折れてしまう。林檎というのは存外堅い。満足に熟していない林檎なら尚更だ。 「れ、れいぶのまいるどなはがあああああ!!!」 マイルドな歯、って何なんだろう。ともあれ母れいむはあまりの堅さに、奥歯を折ってしまった。その堅さを見越して前歯を使わなかったのが不幸中の幸いといったところか。 「お、おかーちゃぁーん!!」 赤れいむたちは、涙を流して痛がる母を心配して跳ね寄る。しかし1匹だけいた赤まりさは違った。 「おかーしゃんがひとりじめしようとしゅりゅかりゃじゃよ!!」 そう言って堅い林檎の方へと駆け寄っていく。さすがまりさ。なんという自分勝手短絡思考。おそらくこいつの片親は下衆まりさに違いない。 「まりしゃがたべりゅよ!」 「だべぇぇぇぇぇ!!!まりざあああああ!!!たべだらゆっぐりでぎなぐなっじゃうよおおおおお!!!」 「ひがんでるんだね!おおぶざまぶざま」 赤まりさはそう言いながら堅い林檎にかぶりつき、そして 「はひはほはははひひはははは!!!(まりざのぢゃあみぃなはがああああ!!!)」 歯をべきべきと折ってしまった。発達した母の歯で折れるのだから、子供の歯では折れて当然だ。 そしてゆっくりは、歯を咀嚼にしか使わない。肉食動物のように何度も生え変わることはないのである。しかも人間とも違い、生えた歯は既に永久歯なのである。その歯は飴細工のようなもので出来ており、お世辞にも堅いとはいえない。 「だがらいっだでじょおおおおお!!!」 「ほへははっはほはははふはひゅっひゅひひへへへ!!!(どめながっだおがあざんはゆっぐりじねえええ!!!)」 止めたにも関わらず、母に責任転嫁をして体当たりを始める下衆赤まりさ。…こりゃまともな親になれないな。 残された赤れいむたちはその様子を、震えながら見守ることしかできなかった。 ちなみにその赤まりさは二度と食べ物を「むーしゃむーしゃ」できないし、そもそも言葉を上手く発音できない。 母れいむが何とか成体になるまで育てたものの、自分で狩りすら出来ない成体と番になろうとするゆっくりなど誰もいなかった。めでたしめでたし。 おまけ2 数日後。残った1つの林檎の下で遊んでいた子れいむと子まりさがいた。このれいむとまりさは友人同士だった。そのまま成長すればやがて番となり、鬱陶しい子供を大量に増産することだろう。 唯一の利点とすれば、このまりさは育ちがよい、つまり下衆まりさではなかったということだろうが。 「ゆっくりおいかけきてね!」 「まりさ、ゆっくりまってね!」 まりさとれいむはぴょんぴょんと跳ねながら追いかけっこをしている。そのれいむの頭上に、 「まりじゃっ」 林檎が落ちてきた。 「…れいむ?かくれてないででてきてね…ゆっ!?」 林檎の下にあるのは、大好きだったれいむのりぼん。そしてその下に、餡子と皮が広がっている。 「ゆうううううううう!? 「どうぞくごろしだー!!!このまりさはどうぞくごろしだよー!!!」 しかもその様を、別のまりさに見られてしまった。まりさはすぐさま仲間に報告する。仲間は怒り心頭で、罪のないまりさに襲い掛かった。 「どうぞくごろしをするようなやつはゆっくりできないからしね!」 「ゆびっ!?ゆびゃっ…もっど…ゆっぐりじだがっだよぉ…」 「おおぶざまぶざま」 報告したまりさがニヤニヤとほくそえんでいる様を見ながら、まりさは死んでいった。 報告まりさは、善良なまりさが大嫌いだった。優等生面をいつか捻り潰してやりたかった。 報告まりさは「ゆっくりしたけっかがこれだよ!!!」と言って、そのまま巣に戻ろうとしたが… 「ゆっへっへ、あのまりさにてんばつがくぢゃっ」 ちょうど落ちてきた毬栗に当たって、その目を潰してしまったとさ。ざまぁ。 「ざまぁじゃないよおおおおおおお!!!」 まぁ目が潰れたゆっくりの末路など、知れたものですがね。 ゆっくりはよく体当たりをしかけるが、人間が痛くも痒くもない体当たりで何をするのだろうか。そう思って考えてみた結果、木の実を落とす際に使うのではないかと思った。そこから構想を練った。構想3分。 …しかし本当にこれ以外に何に使うんだろうね。 あと飴細工の歯(人によっては歯のない設定の人もいる)で木の実って…ホント贅沢だよな。死ねばいいのに。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1254.html
森のどこかにあるゆっくりの巣。 ここには、ゆっくり魔理沙達が住んでいた。 通常単独行動の多いゆっくり魔理沙種だが、交尾に耐性のある個体数はゆっくり霊夢のそれと同じである。 「ゆっくりあそぼうね!!!」 今日も日課の散歩に出発するゆっくり家族。 昨日まで雨が降っていたので、今日は久しぶりの外出だ。 「こっちにいこうね!!!」 ズンズンと進んでいくお母さんゆっくり。 ゆっくり霊夢の母親が、集団の後ろから子供達を見守っているのに対し、ゆっくり魔理沙の母親は先頭に立って進んでいく。 ゆっくり魔理沙も他の個体より多い好奇心は育っていくほどに大きくなっていくのだ。 知らず知らずの内に、列の先頭になってしまうのだ。 それでも子供達も活発なため、みんな迷子にならずに付いてくる。 時々後ろのゆっくりが食べられたり迷子になったりするが、ひとり減っても気にしないのがゆっくりだ。 「ゆっ!なんだろうここ?」 「わあ!おおきいおうち」 「だれもいないのかな?」 「おかあさん。だったらここ、まりさたちのおうちにしようよ!!!」 「うん、ゆっくりしようね」 勝手に人の家に上がりこむと駆逐される。 大抵のゆっくりの親は、それを分かっていたから子供の頃から生きていたのだ、ゆえに親は慎重なのだ。 一部には、人の家自体を知らないゆっくりがいる事も事実だが。 ただ、好奇心旺盛なゆっくり魔理沙は、住みたい場所があれば直ぐ引っ越す。 散歩と言っても、所謂家探しと同じだ。 「「ゆっくりしようね!!!」」 基本的に何も無い有ったとしても、直ぐにまた準備できるようなものばかりの以前の巣に別れを告げる。 一部の巣では、ゆっくりれみりゃ(希少種)を食料にしている事もあるが、殆どの巣には何も無い。 「たべるものなにもないね」 「これなんだろ?」 「ひっぱるとあくんだよ」 「うんしょ、とびちっちゃったね」 「いいかおりだね」 「でもにがいね」 「でもおいしいよ!!」 「ほかのはこもあけてみようか!」 むきゅー!!!」 この声は決して紫もやしではなく、この建物の主人である。 「なんなの……これは」 釣れない釣りをして帰ってきた時の、家の状態。 障子はボロボロ、台所もボロボロ、挙句の果てには秘蔵の茶葉に至るまで全て空っぽになっていた。 「おねえさんどうしたの?」 「ここはまりさたちのいえだよ!!!」 「おねえさんもゆっくりしていってね!!!」 「いま、なんていった」 「ここはまりさたちのいえだよ!!! ゆっくりできないんだったらかえってね!!!」 お母さんゆっくりが前に出る、一応きちんと母親の責任も果たしているようだ。 「……は、わた……よ」 「?」 「こ……は、……たしの……えよ」 「おねえさんなにいってるのかわかんないよ!!!」 「これからゆっくりするから、いっしょにゆっくりしようね」 「おねえさんもここにとまっていくといいよ!!!」 「ここは私の家だって言ってるだろー!」 宝符「躍る陰陽玉」 「わっ!すごい、おねえさんすg」 「うわー! おがあざーん」 「おねえさん! やめて! ゆっぐりじようよ」 陰陽球がゆっくり達を潰していく、本来誘導効果はついていない筈だが、鬼神の如き今の巫女ならそれくらい容易いのだろう。 「ハァハァ、……スペルカード使ったら疲れたわ」 ちなみに巫女は、三分で一五匹のゆっくりを殲滅した。 ……おねえさん、ごねんなさい」 「おうちはかえすからゆるしてね」 「おうちなおすのてつだうからゆるしてね」 何匹か生き残ったゆっくり魔理沙、母親は既に死んでしまった。 よくある事だ、母を失ったゆっくり魔理沙は森に逃げ帰る。 こちらも粗方処分して人も冷静になっているからだ。 「……饅頭!! 饅頭がいっぱい!!!」 ただし、それは普通の人間の場合。 なぜなら彼女は今、断食三日目だったのだから。 「いたいよ!! ゆっくりはなしてよ!!!」 「おねえさんはなしてあげてね」 「う゛わ゛ーーー」 そこには、どこかの汎用人型決戦兵器の様に、ゆっくりを喰ってる巫女が居た。 「……ふう、生き返ったわ。それにしてもこの大量の帽子どうしようかしら? ……魔理沙にあげようかしら、紅魔館に行く度にボロボロにしてるし」 尚、彼女が四日前に食べた一週間ぶりの食事も誰かが神社に置いていった、美味しい紅白饅頭だったことを付け加えておく。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/301.html
家に帰ったらゆっくりれみりゃがいた。 笑顔で「うー!うー!」と言いながらよってくる。 うるさいので蹴飛ばしたらみぞおちにヒットした。 吹っ飛ばされて部屋の壁に当たる。 こいつは笑顔を崩して「う”-!!う”-!!」と泣き喚く。 赤い目から涙が流れ出て鼻水らしき液体も駄々漏れ。 所々で「ふごっ」と鼻をすする。汚い豚だ。 せっかくのお洋服がぐしょぐしょになってしまった。 ?ぐしょぐしょ?そうか。 俺はいい事を思いついた。次の作業に移るためにれみりゃにやさしく声をかける。 「う”ぁー、うぁぅ・・・」 「よしよしごめんよれみりゃ、痛くなかったかい」 「がぉー!い~たかぁ~ったぞぉ~!」 れみりゃは蛸のようなぐねぐねした腕を精一杯伸ばしてずれた帽子を直す。 上目遣いのれみりゃは顔をぐずつかせてご機嫌斜めのようだ。 「ほんと~に勘違いしてたよ、ごめんな」 そう言ってよしよししてやる。 れみりゃは暫くふてぶてしい表情をしていたが、 やがて俺がもう危害を加え無いと判断したのかご機嫌を取り戻していく。 「うっう~うぁうぁ♪」 不可解な音頭を取り笑顔になるれみりゃを連れて浴室へ。 俺はれみりゃを脱がして服を洗濯機に入れる。 「うぁ~、えっち☆」とぶりっ子のポーズを取るれみりゃ。 殴り殺したくなる所を抑えて風呂でシャワーを浴びさせる。 そこで俺は観察した。 このゆっくりは一体何だろう。 肉まんと呼ぶには人間に限りなく近い。 3頭身程度だが体温も髪質も人並み。 人の言葉を解して拙くとも喋る。 手足は五本指で爪もある。人の犬歯よりやや長い牙を持つ。 何より帽子や服は本当の布でできていた。 誰の差し金で俺の所に来た? そもそもこいつは生物なのか? ゆっくりゃの目は赤く、頭は不自然に大きい。 顔のパーツは上よりになっていて、髪を引っ張ると痛がる。 「ぃたぃ、ぃたぃ、ぅー・・・がぉ!」 牙を向いて腕に噛み付くが全く痛くない。 俺はゆっくりの顎を無理やり残る手で開かせてゆっくりゃの体を洗う。 裸のゆっくりゃは肌色で人間の幼女と変わりない。 生殖器もついでに開いて見ると人間のそれと似ている。 「ゃぁ~だぁ。だめだぉぅ。がお~ぅ・・・」 ゆっくりゃは顔を赤くしてうつむく。 この不相応な大きさの頭を除けばこれは人間の幼女と同じだ。それなら・・・ 仮説『適当なプロセスを選べばいくらでも人間の形に近づけることができるだろう』 俺はこいつのシャワーを終えると一人で良いアイデアがないか考えることにした。 ゆっくりゃは大きな頭をぶるんぶるん振って髪の水気を取ろうとしている。 「がぉー、水きらい!ざぐやぁ!ふげふけ!」 うるさいよこの豚。 俺は睨みを利かせて黙らせた。 リビングで乾いたゆっくりゃに服を着せずに放置しておく。 裸でも良いらしく相変わらずうぁうぁ踊っている。 俺は500ml紙カップ入りのコーヒー牛乳を飲みながら考えた。 あの顔には肉まんの中身が詰まっているのだろう。 噂ではゆっくり種は30%程度の中身を失うと死ぬらしい。 そして中身を他の部位に移し変えれば生きているそうだ。 だとすれば・・・・。 やるべきことが決まってきたので早速準備に取り掛かる。 肉まんを幼女に転生させるのだ。 しかし幼女にすることが目標ではない。 肉まんを審美眼に堪え得る存在に昇華させる事が目的なのだ。 準備品はは家にあるものだけで十分だった。 包丁、おたま、肌色の縫い糸と縫い針、接着剤、新聞紙、プリン、やさい、これが全てだ。 早速実行に移す。ゆっくりゃは退屈してきたのかテディベアのような姿勢で座り込んでいる。 顔からはよだれと涙が垂れており、食欲が湧いている。 「うぅ~、は~らぺ~こだぞぉ!」 俺の視線に気づくと床を叩いて 「さぐや!おやづ!」 とねだる。赤い眼は薄く濁り、ふてぶてしい表情を浮かべている。 俺は用意したプリンを見せる。 「よし、こっちおいで!プリンがあるよ!」 「ぷりん?ぷでぃんがあるの?う~!だべどぅ♪」 笑顔で転がりながらやって来る。 ごろごろしたゆっくりゃを片手で止める。 俺はプリンをすくってこいつの目の前までもっていく。 もう片手にはやさい(キャベツ)を隠しておく。 「あ~ん♪」 「これあげるっ」 隠しておいたキャベツを思いっきりゆっくりゃの口の中に押しこむ。 一瞬「ごぼっ」と音が聞こえ、ゆっくりゃはもがく。 「ん”-------!!!!!!!ん”ん”--------!!!!!」 手足をジタバタさせるゆっくりゃ。 俺は翼を手でもぎ取り、余った顎を包丁で開き、中の肉をお玉で一気にこそぎとる。 キャベツが芯になってやりやすい。 まるでケバブを調理する感覚だ。 キャベツを含んだ口の袋を残して肉といくつか皮を新聞紙の上に取り出す。 頭だけでこいつは40%の肉をもっているだろうから注意する。 「ぐっ!!!ん”ん”ん”!!!!ぶぅー!!!」 今度は胸を切開する。暴れるれみりゃ。 「暴れると余計痛いぞ」 そう言うと鼻息荒くもれみりゃはじっとしようと耐え始めた。 何もない胸にまず切り取った顎の皮を縫い付ける。 皮にゆとりができたのでさっきの肉を接着剤と混ぜて詰め込む。 この作業を二回繰り返して胸を作った。 そこそこ上手くできたのでさらに接着剤で胸のの手術跡を塞ぐ。 次は空きっぱなしだった顎を整形させる。 ゆっくりゃの頭の大きさを直すために頭を思いっきり押さえつける。 切り開かれた顎の下から肉がめきめき出てくる。 ゆっくりゃは前にも増してじたばたする。 「☆★♪!!!!!!!??!?!#$#”$%」 キャベツをそろそろ取り外してやる。 「ぎゃぁ”””””””!!!!ぶでぃんだべずるっふーげふ」 顎が塞がれていないので上手く喋ることができない。 大きな顎と頭のラインを整えるために出てきた肉と余った皮を切り取る。 喉を押さえつけて皮を思いっきり引っ張る。 頭が普通の人間位の大きさになってきたのでまとめて包丁で切除、縫合、接着。 「い”だぁあああああああああああああい”よぉおおおおおおおお!!!!!」 出来上がったゆっくりゃの顔は引っ張って作ったせいか垂れ目で口は鯉のようだ。 全体のシルエットは胸のある幼女といった所。 「ぷでぃんたべる!!!!!!」 幸い言語はちゃんと喋れるようだ。 しかし細かい所まで処置できなかったので所々おかしな箇所があるがそれはどうでもいい。 こうしてゆっくりゃの人間化は一つの節目を迎えた。 残った肉と皮は全体の15%程度で、どうするべきか悩んだが捨てることにした。 「すでないでぇええええええええええ」 ゆっくりゃが泣き付いてきたが食べさせるとまた元通りになりそうだったので無視した。 足元に抱きつきながらずるずる引っ張られるゆっくりゃ。 ああ、かわいい、かわいいよ。 数日後。 ゆっくりゃはそのまま変わった所も無くいつものようにうーうー踊っている。 たとえ形が変わっても精神が変わるには困難を要する。 あれからやさいしか与えていない。もしゆっくりを与えるとすぐに元に戻ってしまうだろう。 仮に与えても口が小さくなったから丸かじりできない。 野生に放すともう捕食すらできないだろう。 「ぶでぃんだべどぅ!やざいいだだい!ざぐや”!!!!う”----------!!!!!」 じたばたするゆっくりゃも毎度の事となった。 俺がこの存在を育てていくのだ。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1068.html
「…せッ!…せッ!…せッ!」 暗闇の中円周上に配置された篝火の光の中心には四方を杭に結わえ付けられたロープで囲まれた空間だけが浮かぶ 周囲をぼうっと篝火に照らされる空間を熱狂しながら凝視する人間の顔だけが浮き上がらっせ、その光景は太古の神を祀る儀式を思わせる 「殺せッ!殺せッ!殺せッ!」 老いも若きも男も女もが狂ったように同じ言葉を繰り返す 人々の視線の先には互いの肉を食み、血を啜り合いながら殺しあう2匹の獣 …ならぬゆっくりの姿があった 里の野外に特設された即席のリングの中には1匹のゆっくりまりさとゆっくりフランが向かい合っている ゆっくりまりさは目と口の部分に穴が開いた底部以外顔全体を覆う派手なマスクを被っており、 そのマスクのそこらかしこはフランに切り裂かれたのか無残にも体までにもその裂傷は達して致命傷ではない物の餡がポタリポタリと垂れて 大きくその体を伸縮させて息をついている 方やゆっくりフランは素顔で、顔に自分の傷から漏れた餡とまりさの餡で汚れながらも、 その目には狂気の色が宿り口を大きく開いてこびりつく餡をなめると笑みを浮かべた ルチャゆっくり 最近考案されたゆっくりを使った娯楽のひとつ、早い話がゆっくりを使った賭け格闘技である。 リングで戦うゆっくりはゆっくりドールと呼ばれ相手が戦意を失うか・気絶するまで行われる… しかしゆっくりは本来温厚で臆病な性格なので捕食種を除け自発的に戦うことはない だが、彼らやその親しい者の危機には勇敢に立ち向かうケースもある その事から人間が野生の比較的体格がいいゆっくりを見つけると家族や親友を攫いそれを人質として戦いに赴かせるのである 場合によっては無理やり子供を孕ませてそれを利用する 負けたり・無様な試合をすれば人質の命は主人の気分ひとつ次第 故に戦うゆっくり達に躊躇いはない ……常にガチ勝負且つゆっくり特有の肉体の脆弱さもあいまって死者は耐える事はない 死の恐怖に抗い勝ち続けるゆっくりにはマスクが与えられ、そして更に勝ちぬいたマスクゆっくりは自由を勝ち取る事ができる マスクは数多の同族の屍を踏み越えた強者の証、それを脱ぐ時は敗北を意味する マスクを剥がれたゆっくりはそのマスクを捨て新たにマスクを得るまで再び戦いを続けなくてはならない ゆっくりドールにとってマスクは頭の飾りや帽子以上の価値、命そのもの ゆっくり達にとっては語源のルチャリブレよろしく自由を勝ち取るための戦いであるのだ このまりさはルチャゆっくりでは現在一番人気の花形ゆっくりドール。 デビュー以来負け知らずで特に華麗な空中技に定評がある ルチャゆっくりの中では殿堂入り確実の生ける伝説ゆっくりドールである かたやフランのほうは中堅クラスであるものの高い戦闘力と凶暴性で最近のし上がって来た実力派、決して楽勝な相手とは言い難い 今現在餡子が漏れているマスクまりさは体力的にも長期戦は不利、しかしフランは警戒を奇襲し徐々にコーナーへ追い詰めて行く いくら手負いとてマスク持ちは百戦錬磨の猛者、迂闊な攻撃は仕掛けない辺りフランも並みのゆっくりドールではない マスクまりさがコーナーポストに背をつきの呼吸が乱れかと思うとと体を僅かに傾けるのを見るや雷のごとく飛び掛った 「ますくとられてゆっくりしね――ッ!」 だがマスクまりさは睨み付けたまま動かない。 コーナーに居る以上フランの突進を下手に回避しようとしても逃げれず、リング外に逃げようとしてもその隙に無防備な部分を晒すだけという事を知っている。 そしてコンマ一秒の世界のタイミングで避ける事を決意した マスクまりさは息一つすると極限まで集中する。 一つ息を吐くと空気を震わす観客の歓声がフッと消え、今まで気にならなかった生暖かい風の張り付く感触を感じ、 目の前に向けられたフランの鋭い牙がスローモーションビデオを見てるかのごとくゆっくりと近づく 5センチ... 3センチ... 2センチ... 1センチ... フランは勝利を確信していた 牙は確実に柔らかい皮膚を突き破り餡を抉った後奴は豚のような悲鳴を上げるだろうと カチン!! だがフラン確信とは裏腹に牙のぶつかる音だけが響いた 「うっ!?うーっ!?」 いつの間にか眼前のまりさは霞のごとく消えていた まりさの見せた隙はフェイクだったのだ 後悔したところでもう遅い 次の瞬間頭部に強烈な衝撃が走り地面に叩きつけられると目の前が餡で真っ黒に染まり何がおきたか理解できぬまま事切れた フランだったものから飛び出した餡子の山からムクりとマスクまりさが立ち上がる お互いの鎬を極限まで削る我慢比べにまりさは勝ったのだ ――すたーだすとればりぇ マスクまりさの得意技の一つ 敵の攻撃を極限までひきつけてコンマ一秒のタイミングで敵の頭上に飛び上がりそのまま全体重をかけて敵を地面に叩きつける その一連の動作は流星の如く華麗でそれ見た誰もが魅了される程の高難度の空中技 「ウィナーッ!エルゥ――ッマリィーサァ――!!」 審判が勝者の名前を告げると観客席からは悲鳴のような歓声と怒声が起き周囲に紙吹雪が舞った 「まりさー!よくやったぞ!」 一人の若い男がロープを潜りリングにうつ伏せに寝転がっているまりさの元へ駆け寄る 「おにー…さん…まりさ…がんば…たよ」 ずり落ちた帽子を力なく少しだけ挙げて顔半分をセコンドの男のほうに向けるとにこりと微笑んだ 「ああ…頑張ったとも!後10勝だ!!後10勝てばお前は自由になれるんだぞ」 「うん…でも…まり…さだめ…かも…」 「何言ってんだ怪我はたいした事ないぞ!休めばすぐ治るからな!」 男がまりさを優しく抱きかかえて顔を見るとハッとしたと表情を見せると途端に真っ青になった 何とまりさの左目を両瞼が縦にぱっくり切れ眼球から透明な液が漏れている すたーだすとればりぇを決める為に跳躍した際、満身創痍のまりさはタイミングが少し遅れたため運悪くフランの牙が目を掠ってしまったのだ 「もう…まりさは…あかちゃんのために…たたかえないの…?」 後10回とはいえ戦う相手はどれも強敵ぞろい、片目で戦うには余りにも手に負えなさ過ぎる さりとて傷が癒えても片目に慣れるまでまでじっくり休養する時間などまりさには与えられない 「あ…今すぐ治療するからな!だからじっとしてろ!!」 男はまりさをマスクを丁寧に脱がし、しっかりとまりさを抱えると揺れぬ様急ぎ足で幕舎の中へ入るとベッドにおろして くすり箱をひっくり返すと治療を施したが潰れた目はどうにもならなかった 「畜生…なんてことだ…」 男がまりさを見下ろして項垂れていると幕舎の中に恰幅のいい中年の男が不機嫌な顔をしながら入ってきた 「全く何てことだ!あれだけ投資してやったのにこれからって時にしくじるとはなぁ!!」 どうやらまりさの主人はこの人物らしい 「お…御館様、こいつは片目をやられだけです再起不能になった訳じゃないんです!あと十勝なんです!!どうか見捨てないでやってください!!!」 「饅頭ごときに情が移ったのか?動ける動けねぇじゃねぇよ!確実に勝てるようなじゃなきゃ駄目に決まってんだろうが! 怪我をしてもう使い物にならんなんて知れたら商品価値は無いも同然なんだよ!」 中年男は腕を組むと幕の中を言ったりきたりしながらブツブツと何かをつぶやている 「そうだ…コイツとかなことの試合を組もう。目は形だけ直しとけ、眼帯とか包帯はつけるな。 伝説の終焉って売り込みでコイツには華々しく最後の花道を飾らせてやろう!次の試合だ!わかったな!」 そう捲くし立てると中年男は近くにあった水瓶をけり倒してがっくりと崩れ落ちる若い男を尻目に出て行った ふかんぜんねんしょー 複数の重賞を勝利した競走馬達もその最後は決して安らかじゃないんだってね byおれまりさとかイワレタ人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/410.html
「「ここはれいむとまりさのおうちだよ! ゆっくりでていってね!!」」 家に帰ってきてみるとこれはこれはテンプレ通りなゆっくりれいむとゆっくりまりさがいた。 ご丁寧に部屋の中は荒らされている。 とりあえずうるさいので口にガムテープをはっつけて、目隠しをした。 「む゛ー、む゛ー!」 なんて声を上げているが無視。 2匹のゆっくりを物置まで運んだところで、口のガムテープを力いっぱいとってやった。 皮もちょっと取れちゃったけど気にしてはいけない。 「ゆ゛ぐぅぅ゛ぅっっ、いだいよばやぐゆっくりたちを自由にしてね!」 「お゛に゛い゛ざんはざっざどででっでね!」 この場ですぐさま潰してやろうかとも思ったけが、それじゃあこの胸のもやもやは晴れそうに無い。 それにここまでつれてきた計画が台無しだ。 俺はギリギリサイズの透明なケースに1匹ずつ入れると、動かないように重石をのせそのまま帰ることにした。 もちろん目隠しはしたままだ。 「ゆっ、おにいさんどこいくの、はやくまりさをたすけてね!」 「はやくれいむをみえるようにしてね!!」 無視、どうせこいつらとは会話にならん。時間と口の運動エネルギーが無駄だ。 物置だけあって回りは静か、2匹の声が誰かに聞かれる事も無いだろう。 そして帰った俺は、腹立たしくも家の中の片づけをするのであった。 翌朝。 俺は物音を立てないように、静かに物置に入った。 「すーすー…」 「Zzz…」 こいつら暢気だなおい…。 まぁいい、こいつらもエサをやらないと餓死しちまうからな、それじゃあ面白くない。 俺はケースの上の方にある小さな穴から、オレンジジュースを垂らした。 「ゆっつめたいよー? …あまーい、もっとちょうだいね!」 「ゆっゆゅ、おいしいー、でもまっくらー」 そもそもジュース体にかけただけで飲めてないし、どんな構造してるんだ? そう思っていたらきた。黒い小さい点。 ケースの下のほうにも小さな穴を作っておいて正解だったな。 「ゆっ、なんかきてるよ、だれだかわからないけどやめてねっ!」 「ゆっくりれいむからはなれてね!!」 アリの行列、何も見えない状態でどこまで耐えられるかな? 「や゛め゛でぇぇ゛ぇぇぇぎもぎわる゛いぃぃぃ」 「ゆ゛っぐりざぜでえぇぇ゛ぇぇぇ」 必死で見えない存在に懇願してやがんの、ばっかでー。 お前らが人の話をろくに聞かないようにそいつらもお前の話なんて聞いてやんねーんだよ。 アリが引き上げる頃、2匹のゆっくりはボロボロだった。 全身を細かくかじられ、小さなデコボコがいくつも出来ている。 もっとも、あいつらには何も見えてないけどな。 「ゆぅー…れいむ、だいじょうぶ?」 「れいむはだいじょうぶだよ、まりさもだいじょうぶ?」 「ここをでたらいっぱいゆっくりしようね!!」 「それまでがんばろうね!」 涙ぐましい会話繰り広げてんなー。おお、すごいすごい。 そう思いながらひとまず家に戻ることにした。 あいつらの散らかし具合がひどすぎて、色々壊されちまったのを買出しに行かないとならないんだった。 夕方。 様子を見に行ってみると面白いことになっていた。 「ゆっ、れ゛い゛むー、どごー? がぐれでないでででぎでよぉぉぉ」 「まり゛ざ? まりざはどご? ごえ゛じがぎごえないよぉぉぉ」 「う゛わぁ゛ぁぁぁがいじわるじないでぇ゛ぇぇ」 「ゆ゛っぐりじよう゛よぉぉぉっ゛っっ」 こいつらお互いに自分を見失ってる。 まだ壊れてもらっちゃ困るので、朝と同じようにオレンジジュースをかけた。 「ゆっ…れいむ、だいじょうぶ? まりさはだいじょうぶ!」 「れいむもだいじょうぶだよ! ゆっくりがんばろうね!!」 「あまーい、もっともっとちょうだいね!」 「でもさっきみたいにはならないようにしてね!!」 さっきってのはアリのことをさしているのだろうか。 10時間以上も前なのに、どうやら時間の感覚は完全に狂っているようだ。 まぁそれでも、 「れいむ、だいじょうぶ?」 「だいじょうぶだよ、まりさもゆっくりしてる?」 お互いを認識できる程度には直ったから良しとしておこう。 俺はいつもどおり静かに物置を出た。 翌朝。 さて、今日も元気にしってるっかな? 俺は昨日と同じようにオレンジジュースをかけた。 「ゆっ…はっ、れいむ、だいじょうぶ? そこにいる?」 「んっ…れいむはここにいるよ! あんしんだよ!!」 目を覚ますとお互いを確認しあうかのようなやりとり。 なるほど、こうやってお互いの精神を支えあっていたわけだ。 俺はゆっくりたちをケースから出してやると― 「ゆっ? これでゆっくりできるよれいむー!」 「はやくふたりでゆっくりしようね!!」 今度は防音仕様のケースに2匹を入れた。 1枚ごしくらいならなんとか聞えるが、2枚ごしともなれば聞えない。 つまり俺はここでゆっくりの悲鳴を聞け、お互いの声は届かないという理想的なケースだった。 「ゆぎゅっ、れいむ、そこにいる?」 「ゆ゛っ、まりさ、ゆっくりできてる?」 「ゆっ、れいむ?」 「まりさ?」 「どぉ゛じでべんじじでぐれない゛の゛ぉお゛ぉぉ」 「ま゛り゛ざぁ゛ぁぁぁぁ゛まりざぁぁ゛ぁぁ」 「れ゛い゛むどごなのぉぉ゛ぉぉぉっ」 「がぐれ゛でな゛いでででぎでぇ゛ぇぇっお゛ねがいぃぃぃぃ」 叫びながらケースの中を駆けずり回る2匹。 さっきまでのケースと違って幸運な点があるとすれば、先ほどのケースよりは大きいことだろうか。 先ほどまでのケースがゆっくり1匹分だとすると、今回のケースは縦横高さともに3倍、つまり体積としては27ゆっくり倍である。 お互いを捜し求めての悲鳴を聞きながら、俺は森の方へと出ていった。 最後の仕上げた。 夕方。 2匹とも、もう動く気力もないようだった。それでも定期的に、 「ゆっくりしね! ゆっくりしね!」 「ここはれいむのおうちだよ! ゆっくりしていってね!!」 「いやあぁ゛ぁぁぁぁ゛ぁおうじがえ゛るるぉぉぉぉ」 「ごごはれいむのおうぢだよ! ゆっぐりじでいっでえね!!」 「ゆっぐりざぜでででぇ゛ぇごべんなさいごべんなざいぃぃぃぃっ!!」 「ごぉぅごぉぅはれ゛い゛む゛の゛お゛うぢだよ! ゆっぐりじでいっでえね゛ぇぇ!!」 と叫んでいた。 どうやら目隠しでの幻覚、幻聴に神経の殆どをやられてしまったらしい。 この分だとろくに休んでないのか。寝ようとしても寝れなかったんだろうな。あぁおもしろい。 さて、と…。 俺はそれぞれのケースを開けてやった。 「ゆぐりじね! ごべんなざいぃいぃっ! ゆっぐりざぜででえぇぇぇっ!!」 「ごぅごは゛れい゛むだぎのおうぎだよ! ゆっぎるじね」 最初はこんな風に狂いっぱなしだったが、お互いの声を認識すると徐々に正常に戻っていった。 「…れいむ! れいむなの!? れいむはそこにいるの!?!」 「…まりざ、まりざぁぁぁぁぁっ! ゆっぐりじたいよぉぉぉっ!」 お互い声を頼りに感動の対面! なーんてするわけながない。 俺は再び2匹を防音ケースに入れた。 中には森での成果が入っている。 ぜひともゆっくりしていってほしいものだ。 「ゆぎゅ、れいむー!」 まりさは、またケースにぶつかったことさえ分からずにれいむの名を呼んだ。 「はぁ、はぁ…」 「ゆっ、れいむー、ゆっくりしようね!」 まりさは荒い息のする方向へと何の疑いも無く声を上げた。 そこは今までれいむの声が聞えていた方向と逆だというのに。 もっとも、聴覚が大分おかしくなっているまりさからしてみれば、それほど大きな問題ではなかったのかもしれない。 「ま゛り゛ざぁぁぁぁっずぎぃぃぃぃ゛ぃっ」 「ゆぅぅぅぅぅっ、れ゛い゛むじゃないぃぃ゛ぃぃぃ゛あ゛りずはい゛やぁぁぁぁぁっ」 「ぞんなどころもずぎぃぃ゛ぃぃぃぃぃやっ゛ぱり゛まり゛ざがいぢばんずぎぃぃぃぃぃ」 「ゆぎゅううぅうぅうぉおぉぉおっゆっぐいりいぃぃぃおぉぉぉおおぉ」 必死に抵抗するものの、発情したありすにいままでズタボロだったまりさが勝てるはずもない。 交尾を終えたまりさは息絶え、茎が伸びていた。しかし、自分の命がすぐに尽きることを生まれてくる子まりさたちは知らなかった。 「あ゛ぁ゛ぁぁんじっじゃいま゛り゛ざもがわいぃぃぃの゛ぉぉぉぉぉ」 「ゆぶっ、まり゛ざー!!」 れいむもまた、ケースにさえぎられたことに気づいていなかった。 感覚だけを頼りに、出口を探すれいむ。そこへ声が聞えた。 その声がまりさでないことにすぐに気づいたれいむは、絶望した。 「うっうー、たーべちゃーうぞー」 「い゛や゛ぁぁぁぁぁぁぁゆっぐりざぜででぇぇ゛ぇぇえ゛ぇぇぇぇま゛りざぁぁぁぁ」 数分後、片方のケースには干からびたまりさと潰れた子まりさ数匹、 もう片方のケースにはれいむのリボンと満足げなれみりゃの姿があるだけだった。 さて、今度はこいつらを目隠しするか。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1256.html
制裁ものじゃないと罪悪感を感じる方は注意 ある日の昼下がり、ゆっくりれいむは博麗神社の縁側でお昼寝をしていた。このゆっくりれいむは以前神社の中のおせんべいを 勝手に食べてしまって、巫女である博麗霊夢に叱られ、追い出されそうになったゆっくりであった。 その際にゆっくりれいむが行く当てもなかったところを見かねた霊夢によって飼われることとなった。 今では神社の中でゆっくりする居候またはペットとなっている。 「れいむ~。おやつよ~」 「すぐにゆっくりいくね!!おやつ♪おやつ♪」 今ではおやつを一緒に食べる。 「れいむ、こっちにいらっしゃい。一緒に食べよう。」 霊夢がれいむを膝の上に招く。 「ゆっくりできるね♪れいむのおひざやわらかくてきもちいい♪」 縁側で霊夢はれいむを膝の上に乗せて、おやつを食べることにした。日向でお昼寝をしていたれいむはほかほかと日の光を吸収して暖かい。 このゆたんぽのような暖かさが心地よい。ちなみに夏には冷やして冷やし饅頭になるので、これがまた気持ち良い。 「ほら、こぼしそうになっているわよ。しょうがないわね。」 そういう霊夢は普段他者と接する時と違って柔らかい物言いだった。 「ゆぅ?れいむ、ありがとね!!ゆっくりたべさせてね!!」 れいむは食べるときにこぼしてしまうので、霊夢が手をそえてゆっくり食べさせてあげるのだ。 最初は掃除の手間を省くためにこうしたのだが、今ではこの位置が一番しっくり来た。 霊夢にとってはれいむの暖かさと柔らかさを感じることができ、安らかな気持ちになれる。 そう、ゆっくりできるのだ。霊夢は元々面倒くさがりなところがあり、暇さえあればお茶を飲んでいた。 暇な時間を一人で満喫することは確かに味わい深い。しかし、れいむが来てからは、 だれかと一緒にゆっくりすることをより楽しめるようになっていた。 今では毎日のお茶の時間が本当に楽しみである。 「れいむ、れいむ、おやつありがとね!!おれいするね♪」 そう言うとれいむは縁側で霊夢を招いた。そうすると霊夢が寝転がる。れいむは霊夢の枕になった。 「あ~、ふわっとしてあったかい。れいむ、気持ちいいわよ。ありがとね。」 そういうとれいむは満足げな表情をした。それはどこかふてぶてしくて偉そうだ。 けれども霊夢はそんなれいむをみてほほえましく思った。すこし背伸びがしたい、 かまってほしいと思っている妹がいるとこんな感じなのかと思った。 そうすると、友人の霧雨 魔理沙が尋ねてきた。何でも異変の兆候があるらしい。霊夢は身支度を整えると、 「これから出かけてくるからね。おみやげもってくるからいい子にしてまっているのよ。」 「うん!ゆっくりいってらっしゃい!!」 れいむは満面の笑みで霊夢を見送った。本当はもっと霊夢と一緒にゆっくりしたかったが、 異変解決が巫女の仕事なのだから仕方がない。れいむは仕事で疲れた霊夢が帰ってきたときに たくさんゆっくりしてもらうためお手伝いをしようと思った。口を使ってちりとりをくわえ、器用に掃除をしている。 霊夢が帰ってきたときにほめてもらいたい。なでてもらいたい。れいむは霊夢の事が大好きだった。 そのとき、 神社の上空より鳥がれいむ目掛けて急降下した。れいむは鈍重な動きと警戒心の少なさから、以前より目をつけられていた。 そして巫女がいないところを狙われたというわけである。 あっというまにれいむは鳥に捕まえられ、空高くに連れ去られることとなった。 「ゆぅ?おそらをとんでる!!たかい♪たかい♪」 れいむはまだ現在の状況を把握していないようだった。 霊夢の愛情に守られていたれいむには、これからどのような地獄が待っているのかまったく理解ができていなかった。 だんだん神社が遠ざかってくる。さすがにおかしいと感じたのか、れいむは 「ゆっくりれいむのおうちにかえしてね!!れいむのおてつだいおわっていないの!!」 と催促するが、鳥に言葉がわかるわけはない。 しばらく飛んで、れいむは鳥の巣に落とされた。鳥はそのまま次の獲物を求めて飛び去っていく。 れいむの目の前には鳥の雛達がいた。目の前にはぴぃ、ぴぃと雛たちが自分目掛けて擦り寄ってくる。 よちよちとゆっくりしたペースだ。 「ゆっくりしてる~♪」 野生から遠ざかったれいむは自分に向かってくる雛達を何の警戒心もなく近づけてしまった。 雛たちを可愛いと思ってしまっていた。あるものを忘れていたためにこのような愚行を犯してしまった。 野生の法則 弱肉強食 「いたい!いたいよ!とりさんやめて!!」 雛達はれいむのことを食料としてしかみていなかった。抵抗手段を持たないれいむは雛達についばまれていく。 小さなくちばしによるついばみは、ひとつひとつはたいしたことはなかった。しかし大量の雛、 それもとても飢えているので、久しぶりのご馳走にありつこうとみな必死にれいむをついばんでくる。 「ゆっ! ゆ゛う゛う゛うううううっ!!!やだよ!れいむはおいしくないよ!!」 生態系の最下層、動く食料のゆっくりにはあるまじき発言である。くすぐったさといたみとかゆみが同時に襲ってくる。 「れいむたすけてよ!れいむー!!!」 しかし霊夢は助けに来ない。異変解決に向かっているので当然である。 ひなのくちばしがついに中の餡子に届いてしまった。あふれ出す餡子。そしてそこに群がる雛達。 地獄の蹂躙劇がついにクライマックスへと突入しようとしていた。 しかし親鳥がいなかったことが幸いした。れいむは巣から転がり落ちることによって、うまく雛達から逃れることができた。 れいむはまた逃げていた。神社へとたどり着くことを願っていた。 しかし神社がどこにあるのかはわからなかった。 それでもまったく動かなければ餡子におびき寄せられた虫達の餌食となってしまうのである。 先ほどついばまれたところがかゆいと思ったら、蟻がたかっていた。れいむはあまりの気持ち悪さにどうにかしてしまいそうであった。 転がって蟻をふりはらうとすぐに逃げる。しかし蟻達はしつこく追ってくる。 「れいむじにたくないっ、れいむじにたくないよっ!!!ゆっぐりじたいよぉ!!」 れいむはゆっくりできなかった。蟻達は大群をかたどって襲い掛かってくる。一匹でも再び侵入を許せばそれまでだった。 はやく、はやく跳ね、少しでも遠くへと逃げようとした。それがれいむの餡子をこぼし、より多くの蟻をおびき寄せることとなっていた。 「ゔわ゙ああああああん!な゙んでえええええ!!な゙んでづいてぐるのぉぉぉ!!」 れいむは逃げる。 餡子がこぼれる。 逃げる。 こぼれる。 こぼれる。 こぼれる。 ついてくる。 しかしなんという幸運か、目の前には浅い水溜りが道を横切っていた。 れいむは全身全霊の力を使って飛び跳ねた。蟻達は追ってこない。上手く逃げ切ることに成功したのである。 「ここどこ・・・。おうちかえる・・・。れいむにあいたい・・・」 もはやどこが神社か完全にわからなくなっていた。しかし幸運にも目の前には民家、そして畑があった。れいむは民家を尋ねた。 しかし誰もいなかった。何か食べたい。ご飯をもらいたい。れいむはたいりょうのあんこを失っていたため、早く栄養を取る必要があった。 それなのに長い間飼われていたれいむはえさのとり方を忘れてしまっていた。 ふと目の前の畑に目が行った。たくさんの野菜がある。れいむはこれを食べれば傷がふさがるかと思った。 しかしそのとき霊夢の顔が頭に浮かび、以前しつけられたことが思い出される。 「今度からは勝手に人のものをとっちゃだめよ。悪いことなんだから。いい子にしていたら私がごはんをあげるからね。」 霊夢に嫌われたくない。今まで霊夢と過ごしてきた思い出が蘇る。 かまってほしさにいたずらをして怒られたことがあった。 逆に霊夢にいたずらをされたこともあった。頭からダンボールをかぶせられた。すねていたら、 霊夢が謝ってきてその後一日中遊んでもらったことがあった。 一緒に外に遊びに行ったこともあった。霊夢の友達にほっぺたをつねられたことを覚えている。 喧嘩をしたこともあった。あのときは何が原因だったのか覚えていない。れいむは都合の悪いことはすぐに忘れる。 しかし寂しくなって霊夢の布団にもぐりこんでしまったことは覚えている。喧嘩した後なのに霊夢は抱きしめて寝てくれた。 れいむは泣きながら謝った。 ひとりでゆっくりしていても楽しくはない。霊夢といっしょにいたい・・・。 「ゆ"っ・・ゆ"っ・ゅっ・・・・・ゆ"・・・・・ゅっ・・・・・・・・・ゅ゛・・」 体の中の餡子の3分の1がなくなってしまったためか、意識が朦朧としてきた。 目の前の野菜を食べないと決めたことで一気に今までのダメージが押し寄せてきたらしい。 もう動くことさえできない。 蟻達が追いついてきた。別の道を通ったのだろう。れいむの体内へと侵入し餡子をむさぼってくる。 もはや助からないことはれいむにもわかっていた。霊夢には二度度会えないと。 最後にいってらっしゃいと言ったことを後悔した。もっとわがままをいえばよかった。 少しでも霊夢と一緒にいたかった。こういうべきだったのだ・・・ ゆっくりしていってね、と 「今戻ってきたわよれいむ~。どこに行ったの~。おみやげ持ってきたわよ。いっしょにたべよ~。」
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1147.html
ゆっくり探偵~安住を許されないゆっくり一家 まずはじめに夜中にゆっくり一家の巣に忍び込み、一匹だけをまるかじりで無残に食い散らかす。 朝方になってゆっくり共が起き出して事件が発覚する。 パニックになったところで探偵役として参上。 この巣の地下にはゆっくりヤマメが住んでおり、 食べられるだけじゃなく感染症も起きるからこの巣から引っ越したほうがいい、と吹聴する。 馬鹿なゆっくり共は話を真に受け恐怖に怯え安住の地を捨てあてもなく彷徨う。 あらかじめ用意していたGPSを母親ゆっくりの頭部に忍び込ませておくのも忘れずに。 ようやく新しい巣を見つけて安心したその夜に忍び込み、再び一匹を噛み砕く。 翌朝も同じ内容の嘘をゆっくり共に聞かせ、「ゆっぐりでぎないよ!」 「ゆっぐりでぎるおうぢが欲じいよー!」と泣き顔で再び引っ越しを始めるゆっくり一家。 引越し→ストーキング→捕食→引越し・・・の繰り返しで、 一日たりとて安住の地を作らせずに見えない不安と恐怖で真綿を絞めるように 数ヶ月かけてゆっくりとゆっくり一家を絶やす。ゆっくりできなかった結果がこれだよ!
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2887.html
※ あるマンガに出てくる道具あり このSSのキモなんで「ちょwwwwwなんでこれが幻想入りwwwwww」ってなツッコミは無しの方向で一つたのんます 男は香霖堂への道を歩いていた。 無論、香霖堂へ行くためであり、何をしに行くのかと言えば、言うまでもなく買い物のためである。 とはいっても、生活用品を買うためではない。 こんなことを言ってはなんだが、あの店はそういった日用品を買うには、幻想郷一不向きな店である。 男も何か特別必要な物があって香霖堂に行くわけではない。 男の趣味はゆっくり虐待である。 初めのころは、毎日のようにゆっくりを虐待しては一人悦に入り、ゆっくりが死ねば新しいのを補充することを繰り返していたが、最近虐待もマンネリ化してきて、いまいち面白さに欠けてきた。 そこで新機軸を打ち出すためにも、外界の珍しい品物を扱う香霖堂に行くことにしたというわけである。 「ふう、ようやく着いた」 男は小さな店の前でホッと一息ついた。 店も風変りなら、店主もそれに比肩しておかしな人物である。 ここの店主は、自分の気に入ったものは、どんなに金を積まれても売らないことで有名だった。 だったら、客の目に付くところに置いておかずに、倉にしまっておけと言いたい。 それに、まっとうな商売人なら、こんな人通りの無い場所に店を構えるようなことはしないだろう。 誰の目から見ても、変人なことは明らかだ。 まあ、それで売り上げが上がろうが下がろうが、男にはどうでもいいことだ。 面白い品物が格安で手に入りますようにと願掛けをして、ドアを開き中に入った。 「いらっしゃい」 男は、可愛い女の子の声に迎えられた。 「ゆっ!?」 れいむは目を覚ました。 目を覚ました第一感想は、ここはどこだ? というものであった。 れいむのすぐ目の前には、木で出来た壁がそびえている。 一切のゆがみもなく、真っ直ぐなそれは、決して自然界には在り得ないものであった。それがれいむの四方を隙間なく固めていた。 訳が分からず自身の足元を見ると、これまた目の前の壁のように真っ直ぐな木が敷かれている。れいむはその上に座っていた。 これで上も木の壁で覆われていたら、れいむは完全に狭い木の壁の中に閉じ込められてしまう。 恐る恐る上空に目を向けて、ホッと一息つくれいむ。 運がいいと言っていいのか分からないが、上空には木の壁がなかった。 しかし唯一視界の利く上空を見て、れいむは一層自分がどこにいるのか理解できなかった。 そこにはいつも見ていた空や洞窟の天井はなく、やはり見たことのない物体で埋め尽くされていた。 飼いゆっくりならそれが人間の家の天井であることが分かるだろうが、生憎と森から一度も出たことのないれいむには、それが摩訶不思議な物体としか認識できなかった。 れいむは己の理解が及ばないながらも、まずここから出ることを試みることにした。 ゆっくりは広々とした空間を好む傾向がある。 この訳の分からない状況に不安を感じたこともあるが、それ以上にこんな息の詰まりそうな狭い場所に長居はしたくない。 目の前の木の壁は、れいむの身長の二倍の高さと言ったところである。ジャンプすればギリギリ跳び越えられる高さだ。 れいむは足に力を貯え、一気に解放すると、目の前の木の壁を無事に跳び越えることに成功した。 勢いあまって、着地と同時に地面を転がるれいむ。 壁に当たってようやく止まると、れいむはクラクラする頭を振って、周りを見渡した。 そこにあるのは、今までれいむが見たこともない物ばかりだった。 四方八方自然界にはあり得ない真っ直ぐ均一のとれた物体が囲んでおり、出口らしいところは見受けられなかった。 いや、出口はあったのだが、れいむにはそれが“扉”であるということが分からなかったのだ。 すぐ目の前にはれいむを閉じ込めていた四角い木の物体がある。 木箱だ。それがこの空間に3つも存在していた。 見る物触る物すべてが、れいむの常識から外れた物ばかり。 もしかしたら自分はどこか知らない世界にでも迷い込んでしまったのだろうか? れいむは記憶を辿って、思い出せる限り最近の自分の記憶を振り返った。 先日、れいむは晴れて成体の仲間入りを果たし、今まで慣れ親しんだ家から離れ独立することになった。 愛する両親に別れを告げ、新たなゆっくりスポットに適した場所を一匹探し求めた。 三日後、れいむの頑張りもあって、まだ誰の手も付いていない大きな木を見つけると、一目でそこが気に入り、根元に穴を掘り巣を作り始めた。 ようやく工程の半分ほどを終え、ゆっくり一休みしていると、一人の人間がれいむの前にやってきた。 れいむは今まで人間に出会ったことがない。 親であるぱちゅりーからは、人間は粗暴でゆっくり出来ないと耳タコが出来るほど聞かされていた。 それでいて、決して不用意な真似をしてはいけないとも言われていた。 人間はゆっくりより強い。 いきなり暴言を吐いたり、逃げたりしようものなら、不信を買ってあっという間に捕まってしまい、死より苦しい目に遇わされてしまう。 人間に出会ったら、どんな事があろうと殊勝な態度で接しなければならない。決して刃向ってはならない。 家を出る直前まで言われていたことだった。 そんなこともあって、れいむは男を刺激しないように、「ゆっくりしていってね!!」と、元気よく笑顔で声をかけた。 人間もそれに対して返事を返してくれた。 「おや、巣作りかい?」 「そうだよ!! れいむはおとなになったんだよ!! だからおうちをつくってるんだよ!!」 「ほう、それはめでたいな!! それじゃあ、一人前になったお祝いに、お兄さんが美味しい物をあげよう」 「ゆゆっ!! おいしいもの!!」 「ほら、ビスケットだ。ゆっくりお食べ」 「ありがとう、おにいさん!!」 男は、ポケットからビスケットを取り出すと、れいむの前に差し出してくれた。 親であるぱちゅりーなら、ただでゆっくりさせてくれる男の行動に疑問を抱いたであろう。 しかしながら、親ぱちゅりーの言葉に反して、自分をゆっくりさせてくれるこの男は、きっと優しい人なのだろうとれいむは考えた。 決して、目の前に置かれたビスケットの香ばしい匂いに釣られた訳ではない。 ぱちゅりーの助言もむなしく、疑いもなくビスケットに食らいつく。 「むーしゃむーしゃ!! しあわせ〜〜〜〜♪♪」 丁度、巣作りでお腹が空いていたこともあり、ボリボリと溢しながらビスケットを口に入れる。 かつて味わったことのないその味にすっかり心を奪われたれいむは、男にもっといっぱい頂戴と要求した。 図々しい物言いだが、れいむに悪気は全くない。ゆっくりとは、そういう生き物なのである。 やさしい男は、そんなれいむの態度を特に気にするでもなく、更に何枚かのビスケットを取り出すと、れいむの前に置いてくれた。 れいむは、再びビスケットに食らい付く。 しばし至福の一時を過ごすれいむ。 しかし、初めのうちはおやつタイムを存分に満喫していたれいむだが、そのうち急な眠気に襲われた。 「ゆっ? なんかれいむ……ねむくなってきたよ」 「きっと一生懸命頑張ったから疲れたんだね。でも、巣はまだ入れるほど大きくないし、外で寝るのは危険だな。よし、お兄さんがゆっくり寝られる所に運んであげるよ」 「ありがと…う……お…にい……さ………」 最後まで口にすることなく、れいむは睡魔の急襲にあい、意識を失った。 その後の記憶はない。 そして、再覚醒したのが、ついさっきというわけである。 「あのおにいさんが、れいむをここにつれてきたんだね!!」 考えに考えた末、れいむはあの男が連れてきたことにようやく気が付いた。 確かに周りは見たことのないものばかりだが、ここなら冷たい夜風に吹かれることもないし、急な雨もへっちゃらだろう。 何より天敵ともいえるれみりゃやふらん、大型の野生生物がいないため、ゆっくり安心して睡眠を取ることが出来る。 れいむがあの狭い木箱の中に入っていたのは、きっと男が安全策として念には念を押していたのだろう。 男の気配りに、れいむは心の中で感謝した。 しかし、いつまでもこんな場所には居られない。 季節は秋。 この時期、ゆっくりは食料を巣に溜め込み、冬ごもりに向けて餌を溜めこむ重要な時期だ。 言うまでもなく森の資源には限りがある。 餌取りは早い者勝ちであり、怠け者、体が弱い者、要領の悪い者は、満足な量の餌を溜めこむことができず、大自然の驚異の前に次々と地に帰っていく。 れいむは一匹での越冬ということもあって、自分の分の餌を溜めこむだけで済むため、家族持ちのゆっくりほど切羽詰まってはいないが、代わりに住む家が出来ていないというハンデを抱えている。 いつまでもここに長居をすれば、れいむも帰らぬゆっくりの仲間入りを果たすのは目に見えている。 そんなことは死んでもごめんである。 「おにいさ〜〜ん!! れいむ、おきたよ〜〜!! ゆっくりしないでかえるから、ここからだしてね〜〜〜!!!」 れいむは、この出口のない奇妙な空間から抜け出すべく、大声でお菓子をくれた男を呼んだ。 男がどこにいるのかは分からないが、れいむは男がすぐに来てくれるだろうと楽観していた。 元々疑うということを知らないれいむである。美味しいお菓子をくれた人間を完全に信用していたのだ。 しかし、すぐに来てくれるだろうという安直な考えとは裏腹に、男からの反応は全くなかった。 呑気なれいむは、「そっか!! きこえなかったんだね!!」と、ポジティブシンキングを発揮し、特に気にせず再度大声を張り上げた。 腹(?)の底から捻り出すような声量。 これで男が来てくれるだろうと、れいむは自信満々でいたが、れいむの声に対し、思いがけないところから反応が返ってきた。 「ゆ〜〜……まだねむいよ……ゆっくりおおごえをださないでね」 その声はれいむをここに連れてきた人間とは明らかに違っていた。 しかも明らかに自分のすぐそばから発せられたのである。 れいむは周りを見渡した。しかし、声の主らしき者は、れいむの見える範囲には存在しなかった。 「だれなの? かくれんぼなの? ゆっくりこたえてね!!」 声の主に呼び掛けるれいむ。 すると、れいむの呼び掛けに再び返事が返ってきた。 「ゆっ? そっちこそだれなの? ゆっくりせつめいしてね!!」 声の返ってきた方を向くと、そこには木箱が置いてあった。 れいむの入っていた木箱の隣にあった物だ。 れいむはその木箱に近づいていくと、その中にいるであろう者に向かって声をかける。 「れいむはれいむだよ!! このなかにいるんでしょ? だれなの? ゆっくりおしえてね!!」 訳の分からない自己紹介をするれいむ。 例えるなら、「私の名前はれいむです」と言ったところなのだろう。 人間が聞いたら、なんのこっちゃと思うような紹介だが、箱の中の者にはそれで充分だったらしい。 「まりさはまりさだよ!!」 れいむと同じ自己紹介を返すまりさ。 どうやらこれがゆっくりの自己紹介のスタンダードなようだ。 「れいむ!! どうしてまりさのまわりにきのかべがあるの? れいむがやったの?」 木箱の中にいるまりさは、先程のれいむ同様、状況に戸惑っているようだ。 まあ誰だって突然周りを塞がれてしまえば、困惑するのも無理はない。 「まりさ!! うえがあいているよ!! ゆっくりじゃんぷして、きのかべをとびこえてね!!」 「ゆっ? ほんとうだ!! うえにはかべがないよ!! ゆっくりじゃんぷするよ!!」 まりさは、「ゆっゆっゆー!!」の掛け声とともにジャンプすると、木箱の中から跳び出してきた。 ギリギリの高さで飛び越えることが出来たれいむとは対称に、まりさは余裕を持って木箱を跳び越える。 さすがは身体能力に富んだまりさ種である。 無事にれいむの隣に落ちると、れいむのように転がることなくその場に「しゅた!!」と、華麗に着地する。 実に優雅な物腰だ。 箱から出てくるや、まりさはれいむの方に向き直った。 そしてその顔を一目見たれいむは、一瞬で放心にとらわれる。 な、なんて素敵なまりさなのだろう!! それはれいむが今まで生きてきた中で、見たこともないような美ゆっくりであった。 端正な顔立ち、瑞々しくもっちり張りのある皮、艶のある髪、仄かに香る甘い匂い、一切の無駄な皺のないゆっくりとした帽子…… どれをとっても野生のゆっくりではお目にかかれないほどの物であった。 それは人間に飼われているゆっくりでもあり得ないだろうというレベルのものである。 「ゆっ? れいむ、どうしたの? まりさのおかおになにかついてるの?」 そんなれいむの態度が気になったのか、まりさが首を捻って質問してくる。 れいむはそのまりさの言葉でようやく我にかえった。 そして、まりさに見とれていた自分を顧みて、「な、なんでもないよ!!」と精一杯自分の態度を誤魔化した。 独り立ちしたとはいえ、れいむはようやく成体になったばかり。 ゆっくりでいう成体とは、スッキリして子供が作れるようになった個体を指す言葉であり、人間の年齢で例えるなら、12〜14歳という微妙なお年頃である。 要は思春期であり、体は大人でも精神はまだまだ幼稚さの抜け切らない子供なのである。 余談ながら、ゆっくりが成体かそうでないかを見分けるには、ゆーりが来たかそうでないかで判断される。 ゆーりとは、成長したゆっくりなら誰でも体験するものである。 ある日突然、体全体から甘く粘着質な液体が分泌されることで、次代を作る態勢が整えられる。 知識を持たない当事者は、突然自分の体から変な物が出ることに慌てふためくが、同じく経験してきた親や周りの大人たちが、それが危険でないことを説明してくれる。 それは大人になった証であり、子供を作れるようになった証であると。 そしてその日は大抵ご馳走になることが慣例となっている。 ちなみにれいむの居た群れは、成体になってから三か月以内、要は次の季節に移るまでに、生まれ育った巣から出ていくことが習わしである。 理由は、自立心を養わせることと、手狭になった巣を広くするためである。 これは冬場や、余程の切迫した問題がない限り、誰しもが行っている。 とは言え、所詮はまだまだ未熟なゆっくりたちだ。 狩りが不得手であったり、まだまだ子供気分が抜けない者が多く、巣から出るといっても、すぐそばに新たな巣を構える者が大半である。 れいむのように、遠く親元を離れて生活するというゆっくりのほうが稀なのである。 閑話休題 れいむは純朴である。口悪く言えば田舎娘とも言いかえられる。 森で一緒に駆け回っていた友人達は、皆伸び伸びと元気なゆっくりであったが、反面泥臭くスマートさに欠けるゆっくり達でもあった。 最近ようやく色を知り始めたれいむが、優雅で大人びた、見ただけで気品に満ち溢れたまりさを見て、一目惚れしてしまうのも無理のない話であった。 自分を見てモジモジしているれいむを見ても、まりさにはそんなれいむの機微など分からないらしく、自分が何か不味いことでもしてしまったのではないかと、心配そうな顔をしていた。 傍に寄って行って、れいむの顔を覗き込む。 「れいむ!! ぽんぽんでもいたいの? だいじょうぶ?」 そんな美まりさに近寄られて一層心拍数(?)の上がるれいむ。 近寄られて嬉しい反面、こういうことに慣れていないれいむは、自分からまりさとの距離を取った。 「ゆゆゆっ!! だだだだいじょうぶだよ!! どどどこもいたくないよ!!」 「ほんとうなの?」 「ほ、ほんとうだよ!!! ゆっくりしんじてね!!」 「わかったよ!! ゆっくりしんじるよ!! でもなにかあったら、すぐにまりさにいってね!! まりさがたすけてあげるからね!!」 「ゆぅぅ……あ、ありがとう!! まりさ!!」 初めて会ったばかりのれいむに優しく声をかけるまりさ。 余程れいむの態度が気になっていたのか、何でもないと分かるや、ホッと息をもらす。 容姿もさることながら、優しく思い遣りまであるとあって、れいむのまりさに対する親愛度は急上昇していった。 出来ることなら、いつまでもこの時間が続いてほしい。いや、一生このまりさと一緒にゆっくりしていきたい。 乙女心全開のれいむは、まりさとの幸せな家庭を妄想する。 朝起きると隣ではまりさと子供たちが寝ており、れいむがゆっくりと起こしてあげる。 起きたら全員一緒に「ゆっくりしていってね!!」という掛け声とともに、楽しい一日が始まるのだ。 朝ごはんを食べたら、みんなで小川にピクニック。 まりさと寄り添って、子供たちの遊ぶ様子を見守り、お昼はその場でお花や虫さんを食すのだ。 お腹がいっぱいになった昼下がりには、明るい日差しの下でお昼寝タイム。 気の済むまで寝入り、太陽が山に差し掛かる頃起きて、お歌を歌いながら帰るのだ。 帰ったらまりさは狩りに行き、その間れいむは子供たちの面倒を見て、まりさが帰ってきたら全員そろっていただきます。 危険な夜はお家の中で家族団欒の時間を過ごし、子供たちが寝入ったら、今度はまりさと二匹だけの時間。長い夜の始まりだ。 そして疲れた二人は寄り添い合って、静かに目を閉じていく。 いつまでもいつまでも、ゆっくりとした時間が永遠に続いていくのだ。 涎を垂らしながら、妄想を繰り広げるれいむ。 目の前ではまりさが、やっぱり体の調子が悪いんじゃと言った顔をしてても何のその、妄想はどこまでも続いていく。 まりさの好物は何かな? 子供は何匹がいいだろう? お家は大きい方がいいよね!! 場所は小川の近くが…… とここにきて、れいむはハッと現実に戻っていった。 お家。そう、お家だ。 れいむは未だ自分の住むべきお家を作り終えていないのだ。 お家を早く作るためにも、れいむはお兄さんを呼んでいた最中だったのだ。 まりさの美貌に見とれて、肝心なことをすっかり忘れていた。 一旦現実に戻るや、何を馬鹿な妄想を繰り広げていたのだろうと、れいむは自己嫌悪に陥った。 そもそも現実的に考えて、こんな美ゆっくりであるまりさが、自分如きを好きになってくれるはずないではないか。 事実、れいむの体や髪の毛、自慢であるリボンは、巣作りの途中だったせいもあり、汚れに汚れている。 まりさと比べて、あまりにもみすぼらしい格好だ。 しかも自分はようやく成体になったばかり。反してまりさはすでに立派な成体。自分などまだ乳臭い子供でしかないだろう。 欲望や願望に忠実なゆっくりは、明るい未来だけを想像し、暗く辛く苦しいことをすぐに忘れ去る傾向にあるが、親ぱちゅりーから熱心な教育を施されたれいむは、ゆっくりの中では、比較的珍しい現実主義者であった。 妄想は妄想。現実にあり得るはずはない。 「はー……」と盛大に溜息をついて、俯くれいむ。 しかし、落ち込んでいても始まらない。切り替えの早さもれいむの持ち味だ。 夢を見る時間はここまでにして、ここから出るべくまりさと情報交換を始めることにした。 「まりさ!! まりさはどうしてここにいるの? まりさもおにいさんにつれてこられたの?」 「ゆっ!! きゅうにれいむがふつうにもどったよ……」 まりさはと言えば、自分を見て赤くなったり、間抜けな顔で涎を垂らしたり、急に欝になったりするれいむを不思議そうな様子で見守っていた。 いや、この言葉からして若干引いていたらしい。 しかしそこは大人だからか、それ以上れいむの傷を広げようとはせず、質問に答えてくれた。 「そうだよ!! まりさはおにいさんにつれてこられたんだよ!!」 「まりさも?」 「ゆー!! おにいさんはやさしいひとだよ!! まりさにおかしをくれたよ!! いっぱいおかしをたべたら、まりさ、ねむくなってきちゃったんだよ!!」 「ゆゆっ!! れいむとおんなじだよ!! れいむもおいしいものをたべたら、ゆっくりねちゃったんだよ!! そして、おにいさんがつれてきてくれたんだよ!!」 「ゆっ!? れいむもなの!! ゆっくりおそろいだね!!」 「ゆ、ゆっくりそうだね……」 お菓子をもらい、共に食べている最中眠り連れてこられたということもあって、まりさはれいむにシンパシーを感じたようだ。 嬉しそうに、「あのおかし、おいしかったね!!」と、顔をほころばせる。 れいむもれいむで、美ゆっくりのまりさとの共通点を発見し、再度なんとも言えない気分になった。 恋をしている者にとっては、こんな些細な共通点にすら接点を見出すものである。 なぜお菓子を食べて突然睡魔に襲われたのかという重要な疑問は、今の二匹にはどうでもいい事らしい。 「それじゃあ、いっしょにかえろうね!! よるになると、れみりゃがでるかもしれないからきけんだよ!! まりさがゆっくりおうちまでおくってあげるよ!!」 「ゆゆっ!! いいの!?」 「もちろんだよ!! それにいっしょにかえったほうが、ゆっくりたのしいよ!!」 「ありがとう、まりさ!!」 優しい言葉をかけられ、今日何度目になるか分らない温かい気分になるれいむ。 気を抜けばこのまま妄想の世界に再度行ってしまいそうなところを、僅かばかりの理性を持って制御する。 まりさは親切心で言ってくれているだけなのだ。決して自分に気があったり、下心があって言ってる訳ではない。 その言葉通り、成体になったばかりのれいむ一匹では危ないし、二匹でお喋りしながら帰った方が楽しいというだけだ。 頬を染めながらも、れいむは冷静にまりさと話を続ける。 「それじゃあ、さっそくかえろうね!!」 「ゆっ? まりさはどうやってここからかえるかわかるの?」 「わからないけど、おにいさんがつれてきてくれたんだから、おにいさんをよべばいいんだよ!!」 「れいむもさっきおにいさんをよんだけど、きてくれなかったよ!! かわりにまりさがおきたよ!!」 「きっとれいむのこえがちいさかったから、おにいさんがきがつかなかったんだよ!!」 「そうだね!! きっとこえがちいさかったんだね!!」 「そうだよ!! いっしょにおおきなこえでおにいさんをよぼうね!!」 「ゆっ!! ゆっくりりかいしたよ!!」 まりさの「ゆっせいの…」の後に続けて、二匹は大声を張り上げた。 「「おに〜〜さ〜〜〜〜〜ん!!!!」」 二匹は今にもお隣さんが苦情に来そうなほどの声量を発する。 しかし、待ってみたものの、お兄さんはやって来なかった。 再度挑戦する。それでも結果は変わらない。 「ゆぅ……おにいさん、こないね」 「そうだね」 二匹とも喉(?)が破れるのではというくらい声を張り上げているので、声が小さいということはあり得ない。 もしかしたらお兄さんは近くに居ないのかもしれないという結論にようやくたどり着いた二匹は、未練が残りながらも男を呼ぶのを諦めた。 と言っても、ここから出ることを諦めたわけではない。 まりさは兎も角、れいむにはあまりのんびりしている時間はないのだ。 まりさと一緒に居られるこの時間は貴重であるが、いつ来てくれるか分からないお兄さんを愚直に待っていることは、そのまま死につながる危険性がある。 「まりさ!! ここからでるほうほうをかんがえようね!!」 「わかったよ、れいむ!!」 二匹は部屋の中を探索し始める。 出られる隙間はないか? 食べるものは落ちていないか? 使える道具はないか? 注意深く隅々まで視線を落としていく。 “扉”を知らない二匹は、目の前にあるそれを、周りと色の違う壁という認識しか示さない。 もっとも、人間の使う扉が非力なゆっくりに開けられるはずもなく、その存在を知りつつ如何しようも出来ないという敗北感を味わうよりは、ある意味幸運と言えるのかもしれないが。 二匹は注意深く探し回ったが、所詮は狭い部屋。どこにも出口がないことを確認したにすぎなかった。 唯一この部屋にある物は、れいむたちが寝ていた木箱だけ。中に何もないことは、すでに本人たちが確認済みだ。 しかし、ここでお忘れになっていないだろうか? この部屋にある木箱は計三つ。れいむとまりさは二匹。 となると、残り一つに何かが入っている可能性がある。 「まりさ、このきのなかには、なにがはいっているのかな?」 「きっとここからでるためのなにかだよ!!」 「そうだね!! ようやくここからでられるね!!」 「まりさがなかにはいってゆっくりたしかめてくるよ!!」 「がんばってね、まりさ!!」 「ゆっ!!」 既にれいむは、箱の中に役立つ道具が入っていると信じ切っている。 餡子脳とは、実に幸せである。 まりさは盛大にジャンプし、最後の箱に飛び込んでいった。 すると、まりさの着地と同時に、「ゆぎゃあぁぁぁぁ―――――!!!」という声が聞こえてきた。 それはまりさの悲鳴ではなかった。 「ど、どうしたの!? なにがあったの!?」 突然出てきた第三者の悲鳴に、驚き確認を取るれいむ。 その問いに対して、まりさと第三者の問答が答えをくれた。 「い、いきなり、ねていたありすをふみつけるなんて、とかいはのすることじゃないわ!!」 「ゆ、ゆっくりごめんね!! ありすがいるなんて、しらなかったんだよ!!」 「ごめんですんだら、どすはいらないわ!!」 「ゆぅ……」 二匹の言葉を聞く限りでは、木箱の中にはありすがいたらしい。 寝ていたありすを、まりさが思いっきり踏みつけた格好だ。ありすでなくても、怒るのは無理もない。 その後、まりさが何度も謝罪し、どうにかありすの許しを貰うと、二匹は連れだって箱の中から飛び出してきた。 まりさ同様、ありすも上手に着地する。れいむよりも、幾分か運動神経に富んでいるらしい。 れいむは二匹の会話で、木箱の中に誰がいるかは分かっていたが、出てきたありすを見て少しばかり身構えた。 都会派を自称し、一旦タガが外れると問答無用で襲いかかってくるレイプ魔。それが、れいむのありす種に持っているイメージだったからだ。 イメージというのは、実際に見たわけではなく、伝聞によるものだったからである。 れいむの生まれ育った群れには、ありす種は生息していなかった。 しかしながら、知識の塊である親ぱちゅりーは、いつありす種に会っても対処できるようにと、ありす種について様々なことを教えてくれた。 ありす種はぱちゅりー種と並んで頭の良い個体が多く、ぱちゅりー種と違い体も丈夫なため、あらゆる場面で活躍できる多才派だ。 都会派と気取ることが多いが、それ自体は他のゆっくりに迷惑をかけることではないので、気にしなければどうということはないらしい。 しかし、それだけならマルチに活躍できる最高のゆっくりなのだが、ありす種特有の欠点も耳ダコが出来るほど聞かされた。 それが、色情魔、レイプ魔というもう一つの顔である。 ありすは非常に性欲が強く、一度レイプ魔になると、手が付けられなくなるらしい。 普段は、全力を出すのは都会派らしくないという認識で力を抑えているそうだが、レイプ魔となるとその枷が外れ、最強のゆっくりへと変貌する。 それは、場合によっては捕食種であるれみりゃにすら対抗できるほどであるといえば、どれだけ強いか分かるというものだろう。 とは言え、すべてのありすがレイプ魔という訳ではない。 むしろ、レイプ魔のありすなど少数派であり、殆どは多少性欲の強いだけの普通の個体である。 しかしながら親としては、ありすの利点より危険性を重点的に教え込むことは、子供の安全面を考えれば仕方のないことである。 その結果、実物のありすを見たことがないことも併せて、れいむの頭の中では、ありすがレイプ魔であるというイメージが強くなってしまったのである。 「あら、はじめてみるれいむね!! ゆっくりしていってね!!」 「……ゆ、ゆっくりしていってね」 木箱から出てきたありすが、れいむに気付き、声をかけてくる。 ちなみにこの場合の「ゆっくりしていってね!!」は、ここでゆっくりしようねという意味ではなく、「はじめまして」の意味である。 対して多少戸惑いながらも、れいむもありすに返事を返した。 いくらありすに苦手意識を持っていても、このありすがレイパーであるとは限らない。 それに挨拶を返さない子はゆっくり出来ないと、親ぱちゅりーから厳しく躾けられていたからでもあった。 ありすはそんなれいむの葛藤など気付きもせず、部屋の中を興味深げに見まわした。 そして一通り確認を済ませると、れいむとまりさに向き直る。 「まりさ、れいむ!! ここはどこなのかしら? とかいはのありすにおしえてくれてもいいわよ!!」 「ゆっ!? ありすもここがどこかわからないの?」 まりさは驚き聞き返す。 口には出さずとも、れいむも同じ心境だった。 少々疎ましく思いながらも、このありすならきっと出口を知っているに違いない。特に意味もなく、安直にもそんな考えでいたれいむは、大いに落胆した。 それと同時に、元々低かったありす株も一気にがた落ちしてしまう。 ありすにとっては、勝手に思い込まれて、勝手に落胆されただけなので、実にいい迷惑である。 れいむほどではないが、まりさも同じ気持ちだったらしく、若干渋い表情をしていた。 しかし、出口を知らないのであれば、それはそれで仕方がない。 情報交換をすべく、まりさがありすに問いかける。 「ありすはどうやってここにきたの?」 「ゆっ? そ、そうね、ちょっとまってね!! いまおもいだすから!! とかいはをあせられるものじゃないわ!!」 なぜか知らないが、自分が失望されているということは二匹の表情から分かったようで、ありすは失点(?)を取り返すべく、必死でここに来た経緯を思い出す。 「ゆぅぅ!! たぶんだけど、にんげんのおにいさんにつれてきてもらったんじゃないかしら?」 「にんげんのおにいさん? もしかして、おかしをくれたおにいさんのこと?」 「よくわかったわね!! なかなかとかいはなにんげんだったわ!! もりでおかしをたべてたら、きゅうにねむくなってきちゃって、きがついたらここでねむっていたの!!」 「ゆゆっ!! まりさたちとおんなじだよ!! まりさたちも、おにいさんにおかしをもらって、ここにつれてきてもらったんだよ!!」 「そうだったのね!!」 「それじゃあ、ありすもまりさたちといっしょにかえろうね!!」 「しかたないわね!! ゆっくりとかいはのありすをえすこーとさせてあげるわ!!」 ありすも同じ境遇であると知り、それならみんなでここから帰ろうという結論に達したまりさ。 しかし、それが面白くないのはれいむだ。 せっかくまりさと二人きりで帰れると思っていたのに、余計なお邪魔虫が付いてしまった。 とは言え、まりさとありすはすでに一緒に帰る気でいるし、「ありすとは一緒に帰りたくないよ!!」なんて言えるはずもない。 れいむは気落ちしながら、どうやってここから出るかという作戦会議に混ざった。 その2へ
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2852.html
ゆっくりずれないでね あるところにゆっくり一家がいた。 このあたりは餌が豊富にあるのだが、父まりさがものすごくおいしいものを 見つけたというので山から降りてきたのである。 「「む〜ちゃむ〜ちゃちあわしぇ〜」」 果物をむしゃむしゃと食べるゆっくり一家、 親ゆっくり達は子ゆっくりの満足そうな顔を見て幸せそうである。 「まりさ、おちびちゃんたちおいしそうにたべてるね」 「すごくあまくておいしいね、れいむ」 おいしいのはあたりまえである。 ゆっくり一家が食べているのは品種改良に改良を加えた結果、村の特産品になるほど 美味しくなったイチゴである。 農家の人がどれだけ苦労したか等わからないゆっくり一家はつぎつぎとイチゴを平らげていく。 「ゆ〜れいむおなかいっぱいだよ〜」 「まりさもだよ〜」 「「ちわわしぇ〜」」 ゆっくり一家は満足し巣に持ってかえる分のイチゴを口に 含むとほくほくと幸せそうな顔で巣に戻っていった。 途中農家の人に追い掛けられたが距離が充分だったので問題なく逃げることが出来た。 「ゆぅ・・・こわいおじさんがでたからしばらくはちかづかないほうがいいね」 一家はイチゴを諦めたわけではないが、農家のおじさんが怖いので しばらくは普通に狩りをしようと決めた。 最後ちょっと怖かったが巣に帰ってからはとてもゆっくりできて みなゆっくりしながら幸せな眠りについた。 その幸せそうなゆっくり一家に忍び寄る人間が一人、彼の名は虐待鬼意さん 今日もゆっくりの駆除を兼ねて虐待するために森に来たのである。 「ゆ〜ゆ〜」 「幸せそうに眠りやがって・・・」 彼はゆっくり達を起こさないように一匹づつ、取り出し、頭に何かをかけていく。 彼がゆっくりにかけている物はゆっくり駆除剤を薄めた物である。 ゆっくり駆除剤は霧状にして適当にばらまけば ゆっくりのみを死滅することができる優れものである。 ドスなどの大きな固体にも効き、ヘリなどを使えば山全体の ゆっくりを死滅させることも簡単にできる。 今回、鬼意さんはゆっくりを駆除しに来たのではない、それならばわざわざ ゆっくり駆除剤を薄めたりしない。 彼の目的はゆっくり達の髪の毛を殲滅することである。 「これで全部だ・・・」 彼はゆっくり一家を起こさず全てのゆっくりの頭にゆっくり駆除剤を振りかけることに成功した。 全員起こさずに成功したのはこれが初めてで、ゆっくりが起きた場合は騒がれると 面倒なので声を上げる前に潰してやった。 今回の虐待はゆっくりに気付かれないことが最も重要なのである。 「ゆっ・・・ゆっ・・・」 「そろそろ効いてくるな」 先ほどまで幸せそうな顔をしていたゆっくり一家の表情が曇り始める。 そして徐々に髪の毛が抜け始め、5分もするとゆっくり達の髪の毛は全て 抜け落ちてつるっぱげ一家が完成した。 (次も慎重にやらないとな・・・) 鬼意さんはあらかじめ別のゆっくり家族から生きたまま頭皮を引きはがして作った カツラをゆっくり達に被せていく (これで最後か・・・) 鬼意さんは最後の一匹である母れいむの頭にカツラを被せようとしたが 髪の毛が抜けて寒くなったため、ブルブルっとふるえて目を覚ます。 「ゆ〜・・・ゆっ!にんげんだ〜!」 れいむは人間に驚き声を上げる。 その声に驚いたゆっくり一家も目を覚ます。 「ゆ〜ここはれいむたちのおうちだよ!にんげんはでていってね」 鬼意さんは咄嗟の判断でれいむの頭にすばやくカツラをのせる。 そしてれいむが巣の外で眠っていたので戻してあげようとしたと適当に嘘をつき 巣に戻してやる。 「れいむだいじょうぶだった?」 「だいじょうぶだよれいむはなんともないよ!」 そう言って自分が元気であることをアピールしようと巣の中で軽く飛び跳ねる。 その瞬間・・・ フワッ れいむ頭が一瞬涼しくなる。 れいむは少し違和感を覚えたが気付いてはいない。 まりさや子ゆっくり達は一瞬れいむの髪の毛がフワっとなった気がしたが半分寝ぼけていたので 気付かなかった。 その様子を巣の外で見てしまった鬼意さんはふきだしそうになる。 (今あたまがフワッとした!フワッとした!) 鬼意さんはゆっくりの巣の入り口を塞いでやり、そのまま山を下りていった。 「ゆ〜まだおきるのにははやすぎるからゆっくりねむろうね」 ゆっくり一家は再び眠りについた。 翌朝、ゆっくり一家はいつも通りの朝を迎える。 親れいむが一番始めに目を覚まし他のゆっくり達を起こしていく、 しばらくゆっくりしたあとに朝食を済ませ父まりさは狩りに出かけていく。 「ゆっくりかりにでかけてくるよ!」 「がんばってねまりさ!」 「「おとーしゃんがんばっちぇにぇ!」」 れいむと子ゆっくり達の見送りで元気一杯になったまりさは元気よく跳ねて狩りに向かっていった。 「さて、おちびちゃんたちきょうはてんきがいいからひなたぼっこにいこうね」 「「ゆ〜」」 ここ最近とても寒くて子ゆっくり達は外で遊ぶことが出来なかった。 しかし今日は暖かいので表で日向ぼっこをすればとてもゆっくりできると思い外に出てにいった。 れいむ達は目的地まではゆっくりと這っていったのでカツラがずれることはなかった。 しかし、野原について子ゆっくり達が遊び始めるとそうはいかない。 「ゆーこっちだよまりしゃ」 「まっちぇ〜おね〜しゃ〜ん」 仲良く追い掛けっこをしてあそぶ子ゆっくり達、 末っ子のまりさは姉ゆっくり達を追い掛けるがからだが小さいのでなかなか追いつくことができない。 末っ子まりさはなんとかして追いつこうと懸命に飛び跳ねる。 「ゆびぃっ!・・・いちゃいよ〜!」 石にぶつかってしまい末っ子まりさは少し餡子を漏らして倒れる。 泣き声に気がついた姉ゆっくり達が集まってくる。 末っ子まりさは泣いていれば姉たちが優しくしてくれると思っていた しかし・・・ 「ゆっ!なんかへんにゃこがいるよ」 「ほんとうだにぇ!かざりもつけてないしゆっきゅりできにゃいゆっくりだね!」 「ゆっきゅりできないゆっきゅりはどこかいっちぇね!」 末っ子まりさは石にぶつかった時にカツラをおとしてしまったのである。 姉ゆっくり達は体当たりをし始める。 末っ子まりさは姉ゆっくり達が何故自分を攻撃するのか解らなかった。 「ゆぶっ!やめちぇ!やめちぇ〜おね〜しゃ〜ん!」 「おまえみたいなゆっくりできにゃいこはれいみゅのいもうとにいないよ!」 「まりしゃのいもうとはもっちょかわいいよ!」 必死で姉ゆっくりにすがり寄ろうとする末っ子まりさだがそのたびに体当たりを されて突き飛ばされる。 「お・・・ね〜・・・しゃん」 「おまえみちゃいなへんなこはいもうとじゃないよ!ゆっくりできないゆっくりはしにぇっ!」 最後の力を振り絞り長女れいむに助けを請うが長女れいむは大きく 跳ねて末っ子まりさを踏みつぶす。 その際に姉れいむの頭がフワッと浮いた気がするがそれに気付いたゆっくりはいなかった。 母れいむはちょっと離れたところでしーしーをしていたが末っ子まりさの泣き声や 姉ゆっくり達の騒ぐ声を聞き、急いで跳ね寄ってきた。 「どおしたのおちびちゃんたち?」 「ゆっおかーしゃんれいみゅたちしゅごいんだよ! ゆっきゅりできないこをやっちゅけたんだよ!」 「「やっちゅけたんだよ」」 子ゆっくり達は母れいむにゆっくりできない子を倒したと自慢げに話す。 母れいむが子ゆっくり達が倒したと言う餡子をまき散らしつぶれた饅頭を見つめる。 末っ子まりさに髪の毛がついていれば子ゆっくり達がとんでもないことを してしまったことに気付いたかもしれない。 しかし、母れいむは 「ゆっくりがんばったね、まだちいさいのにかりができるなんてすごいよ! すこしはやいけどおちびちゃんたちはおひるごはんにしようね」 母れいむは末っ子まりさだったものを子ゆっくり達が初めて狩りに成功した餌として食べるように言った。 子ゆっくり達もむ〜しゃむ〜しゃちあわせ〜といって餡子を平らげてしまった。 「そろそろかえろうね、おかーさんおなかすいちゃったよ」 「まりしゃももっとたべちゃいよ〜」 「れいみゅも〜」 お腹を空かせたれいむ達はゆっくりと巣に帰って行く 一方狩りに出かけた父まりさは 「まってねまりさのためにゆっくりしてね!」 まりさはごちそうであるちょうちょを追いかけ回し、ぴょんぴょん跳ねていた。 このあたりはたくさんごはんが採れるので多くのゆっくり達が集まる狩り場であった。 しかしゆっくり達は普段なら他のゆっくりのことなど気にせず狩りに勤しむのだが今日は様子が違った。 まりさの頭が変なのである。 「まってね!ちょうちょさんまってね!」 まりさがぴょんぴょんはねるたびに少しづつカツラが帽子と共にずれていくのである。 「あのまりさぜったいあたまおかしいよ・・・」 「むきゅあきらかにずれてるわね」 「・・・あれはとかいは?・・・とはいえないわね・・・」 「わからないよ・・・あのあたまはわからないよ・・・」 狩り場にいたゆっくり達はまりさの頭が気になって仕方なかった。 しかし本人が気付いてるのか気付いていないのかわからないので 声をかけずらかったのである。 「どうする?・・・おしえてあげる?」 「たしかにいってあげたほうがいいともうけど・・・」 「すごくずれてる・・・げんかいよ・・・」 「そうとうびっくりするんだねーわかるよー」 まりさに頭のズレはすでに限界に達しており、いつ落ちてもおかしくない状態である。 そしてまりさがちょうちょを花にとまっているところを捕まえようと飛びかかった瞬間! 「「「まりさあたまいかれてんぞ!!!」」」 限界に達したゆっくり達が一斉にまりさに声をかけ始める。 まりさはまだ自分の頭の異変に気付いていないらしく、 自分の頭をいかれてると言いつめるゆっくり達、まりさはおかしくないよと怒りぷくぅと膨れる。 「きもいよ!わからないよ!」 「こんなのとかいはじゃないわ!」 「どぼじでそんなごどいうの〜?」 「むきゅっ!みんなおちついて!」 このままではケンカになってしまうと判断したぱちゅりーは 言い争うまりさとその他のゆっくりの間に割ってはいる。 そしてまりさを見つめゆっくりと話し始める。 「まりさ・・・あなたあたまがさむくない?」 「ゆぅ?・・・そういえばあたまがすーすーするよ」 まりさは頭に違和感を持ち始める。 続けてぱりゅりーは話続ける。 「まりさ・・・はっきりいうわ、あなたあたまはげてるわよ・・・」 「ゆっ!まりさはげてないよ!」 まりさは自分は禿げてないと怒るが、ぱりゅりーは落ちた帽子とカツラの方を見るように言う。 「あれはまりさのぼうし!ぱちゅりーありがとう!」 帽子といっしょにカツラも落ちているのにまりさはまだ気付かない。 まりさはカツラごと帽子をかぶる。 カツラを適当にかぶったためにあたまがこんもりして違和感が増大する。 「「「まりさあたまいかれてんぞ!」」」 ふたたびまりさ意外の全ゆっくりに頭をツッこまれてしまう。 そんなゆっくり達にまりさは再びぷくぅと膨れるが、ぱちゅりーは まりさに説明するため湖に連れて行った。 「まりさみずにうつってるまりさをのぞいてごらん」 「なんで?そんなことしてもかわいいまりさがうつるだけだよ?」 そう言ってまりさは湖をのぞき込む 「ゆぅ?あたまがへんだよ」 まりさは髪型がおかしいので帽子を外そうと頭を下げた瞬間・・・ バサッ まりさの髪の毛が地面に落ちて再び頭がすーすーする。 「まりさのあたまをなおす・・・・よ?」 まりさは水に映る自分の姿をみて絶句する。 そこには髪の毛が一本も生えていないゆっくりできない自分がいたのである。 「・・・!ばりざのがみのげがー!!!」 「おちついてまりさ!いったいなにがあったの?」 ぱちゅりーは泣き騒ぐまりさに問いかけるがわからないとしか答えない。 しかたないのでまりさの髪の毛と帽子を戻してやりまりさに注意をしておく。 「いいことまりさこれからはぼうしをふかくかぶってなるべくあたまがづれにくく なるようにしなさい、もしぼうしをおとしたりかみのけをおとしたりしたらゆっくり できなくなるわよ」 ぱちゅりーに言われまりさは深く帽子を被ることになった。 そして殆ど獲物も採れないままいったん巣に戻ることにした。 そして場所は再びれいむ一家の巣 「おちびちゃんたちとてもゆっくりねむっているよ」 幸せそうな子ゆっくり達を見てれいむもうとうとし始める。 昨日鬼意さんに起こされて、余り眠れなかったのだ。 れいむは少しの間だけ、お昼寝をすることにした。 れいむが本格的な眠りにはいってからしばらく・・・ 「ゆ〜ゆ〜・・・ゆっ」 一匹の子まりさが目を覚ました。 あたりを見わたすとみんな眠っており再び自分も眠ろうとするがあるものを 見つけたため一気に目が覚める。 「ゆぅ!あれはゆっきゅりできないゆっくりだよ!」 子ゆっくり達が眠っている間、寝相が悪く寝返りをした子れいむのカツラが地面に落ちてしまい、 子まりさはそれをゆっくりできないゆっくりだと判断したのだ。 「ゆ〜またごはんをとっちぇおきゃ〜しゃんにほめてもらうよ!」 子まりさはしょろーりしょろーりと子れいむに近づいていく、 そしてぷっくりとしたほっぺたに一気に噛みつく 「ゆびっ!」 子れいむは幸せな夢の中から一気に現実に引き戻される。 自分の体に何が起こったのかわからない子れいむは大きく息を吸い込み悲鳴を上げようとしたが 立て続けにくちびる付近を喰いちぎられたためにひゅーひゅーとしか鳴けなくなってしまった。 そしてさらに数カ所を噛みちぎられる。 「ひゅひぃ・・・いひゃい・・・おひゃ〜ひゃん(ゆびぃ・・・いちゃい・・・おきゃーしゃん)」 「とどめだよ!はやきゅしんでにぇ!」 子まりさは穴だらけになった子れいむを踏みつぶす。 同じような体格のために一回の踏みつぶしではなかなか死なない。 子まりさは何回も子れいむの上で飛び跳ね、そのたびに穴の開いた所から餡子が吹き出る。 「もっひょ・・・ゆっひゅひ・・・ひひゃはっひゃ(もっちょ・・・ゆっきゅり・・・しちゃかった)」 「ゆ〜まりしゃはつおいよ!」 餡子を失い皮だけになってしまった子れいむの上で子まりさは得意気にする。 さっそく母れいむに褒めてもらおうとして起こそうするが、 母れいむはかなり疲れていたために一向に起きる気配がない。 しかたないので長女れいむを起こそうとして体をゆする。 「ゆ〜ゆ〜・・・どうしたの?・・・っ!」 「おねーしゃん、きいちぇきいちぇ」 子まりさは目を輝かせて長女れいむに話しかける。 すごいねまりさは強いんだねと言って欲しくてたまらなかった。 「ゆっくりできないこはおうちはいってこないで!」 子まりさは長女れいむの体当たりを受けて突き飛ばされてしまう。 子まりさはコロコロと転げて壁にぶつかる。 「・・・??・・・」 あまりにも予想できない行動に子まりさは痛みすら忘れて思考停止する。 子まりさが攻撃された理由はさきほど暴れ回った際にカツラを落としてしまったからなのだが、 そんなことはわからない、何故自分が攻撃されたのかが全く解らなかった。 そして徐々に痛みを感じ泣こうとした瞬間、 長女まりさが子まりさの顔面を踏みつぶす。 「ゆっ!・・やめっ!・・おえっ!」 「ゆっくりできないゆっくりしないでしんでね」 子まりさは悲鳴を上げようとするたびに顔面を踏みつけられそのたびに襲いかかる鈍い痛みに 悲鳴をあげることもできないまま徐々に死に近づいていった。 「もっちょ「さっさとしね!」ぶびぃー!」 長女れいむの子ゆっくりにしては強力な踏みつぶしで子まりさは顔面を潰されて 口から餡子を勢いよく吐いて絶命した。 「「ゆ〜どうしちゃの〜?」」 騒ぎに気付いた子ゆっくりの何匹かが目を覚ます。 長女れいむは安心させるために目覚めた妹ゆっくり達に近づいていくが 様子がおかしい、まるで敵を見るような目で長女れいむを見ている。 先ほどの騒ぎで長女れいむのカツラも取れてしまったのである。 「ゆーもうゆっくりできないこはたおしたからあんしんしていいよ?」 「ゆっくりできないできないゆっくりはでてってね!」 妹ゆっくり達が長女れいむに襲いかかる。 長女れいむと妹ゆっくりの体格差はそこそこあったので 体当たりを仕掛けた妹ゆっくりが跳ね返されてコロコロ転がっていく。 「ゆー、もうおこったよ!ゆっきゅりしね!」 妹ゆっくり達のカツラが転がった拍子に取れてしまう。 目の前で起きた奇妙な現象に長女れいむは混乱する。 「ゆっ!いもうとたちがゆっくりできないゆっくりになっちゃったよ!?」 「ゆっくりしちね!」 長女れいむが混乱している間にも妹ゆっくりの攻撃は続く。 そして、ゆっくりの攻撃の中で最大の殺傷力を持つ噛みつきを長女れいむのほっぺたに仕掛ける。 「ゆがっ!いたいよ!」 長女れいむはたまらず体を思いっきり回転させて、噛みついてきた子れいむを引き離す。 そのさい少し頬が破れたが致命傷にはほど遠い。 逆に放り投げられた子れいむは巣の中に落ちている前々からどけようと思っていたが めんどくさくて放置しておいたとがった石に顔から突っ込んだ。 「・・・ぶぅっ!」 子れいむの口のなかにとがった石が入り込み歯を砕き喉の奥を引き裂く、 子れいむはゆっくりと口から石を引き抜く、その瞬間大量の餡子が口から流れでる。 「ごぼっ・・・たひゅけ・・・」 子れいむが突き飛ばされたところから一番近くで眠っていた子まりさに助けを請う。 しかし、子まりさは起きた瞬間に悲鳴をあげる。 「ゆぎゃ〜!ゆっきゅりできないゆっきゅりだ〜!」 この声を境に眠っていた子ゆっくり達は全て目をさます。 母れいむはまだ起きない。 「きもちわるいゆっくりはしねっ!」 「ゆひぃっ!」 石に顔をぶつけた子れいむは姉妹ゆっくりの輪の中に突き飛ばされる。 次々と踏みつぶしや噛みつきなどをされて、顔をぶつけた子れいむは ぐちゃぐちゃに潰されて絶命した。 その際に飛び跳ねた何匹かはカツラが取れてしまう。 いきなり横に現れたゆっくりできないゆっくりに子ゆっくり達は混乱するが すぐに攻撃を仕掛け始める。 「ゆっきゅりできないゆっきゅりは!ゆぎぃっ!かみつかないで〜」 「まりしゃのおうちにかっちぇにはいってこなっ!いじゃ〜い!」 「もうやめちぇ〜!いちゃいよ〜!」 「にゃんでゆっくりできないゆっくりがいきなりよこにいるの〜?」 カツラのとれた子に攻撃すると自分のカツラがとれてしまい他のゆっくりに攻撃されてしまう。 「ゆびゅっ!やめちぇっ!たしゅっ・・・ゆびゅっ!」 「いじゃいぃぃかみちゅかにゃいで〜」 「まりしゃのおかおが〜」 「ゆぎゃ〜っ!めがみえにゃいよ〜」 ほとんどの子ゆっくりのカツラは取れてしまい巣の中はバトルロイヤル状態である。 あるものは踏みつぶされて中身が飛び出しそうになり、あるものは顔を噛みちぎられ、 むき出しになった歯をガチガチとならし、またあるものは目が飛び出してブラブラと 垂れ下がった目玉は昔流行ったオモチャのようである。。 「やめてね!みんなやめてね!」 長女れいむは何回かカツラを落とす所を見て何が起こっているのかを理解した。 何匹かが自分にも攻撃してくるが軽く突き飛ばして、地面に落ちている自分のカツラをかぶる。 そして母親に事態をなんとかしてもらおうと必死になって起こす。 「はやくおきてね!ゆっくりしないでね!」 「ゆ〜どうしたのおちびちゃん」 母れいむがのんきに目を覚まし長女れいむを見つめる。 「ゆっ!おちびちゃんどうしたの!?」 「おかーしゃんいもうとたちをとめてあげて!」 長女れいむの言葉を聞いて母れいむは騒ぎのする方を見る。 「ゆっくりできないゆっくりがいっぱいいるよ!」 「おかーしゃんあれはいもう」 長女れいむはあれは妹達だと言おうとしたが母れいむはその言葉を聞かずに さっさと子ゆっくり達を潰しにかかった。 「おかーしゃ・・・たしゅけっびゅびぃ!」 「いちゃいよ・・・おか・・・ぶちゅっ!」 「おきゃーしゃんまりしゃをたしゅけてくれちぇありがっちょびっつ!」 「れいみゅのおきゃーしゃんはつよいんだよびこぅ!」 母れいむは次々と子ゆっくり達を潰していく、母れいむの攻撃は 強力で怪我していたものはもちろん長女れいむに襲いかかっていた比較的怪我の少ない 子ゆっくり達も一瞬のうちにつぶれた饅頭になって死んでいった。 「ゆぅ・・・ゆぅ・・・ゆっくりできないゆっくりはみんないなくなったよ これでゆっくりできるよおちびちゃんたち・・・おちびちゃんたちは?」 母れいむが部屋を見わたすといるのは長女れいむだけである。 長女れいむは歯を食いしばり涙を流しながら母れいむを見つめている。 「おちびちゃんたちどこにいったの〜?」 「おかーさんがいまぜんぶころしちゃったんだよ!」 長女れいむの言った言葉を母れいむはそんなことしていないと否定する。 長女れいむは泣きながら今殺したのはカツラのとれた妹達だと説明するが、 そんなこと言う子はゆっくりできないよと怒るだけである。 「だきゃらあれはかみのけがとれたいもうとたちなの〜!」 「かみのけがとれるわけないでしょ!おかあさんもうおこったよ!」 母れいむは自分の言葉を全く聞かない長女れいむに体当たりをした。 母れいむは軽くやったつもりだが実際には結構強くやってしまい、 長女れいむは勢いよく飛ばされてしまう。 長女れいむは壁に後頭部をぶつけカツラが少しずれて涙目になる。 母れいむの怒りはおさまっておらず追撃が来ると覚悟を決めたその時 「ただいま・・・なにこれ〜!」 父まりさが巣に帰ってきて部屋の惨状に驚く、 「おかーしゃんがいもうとたちをころしちゃったの〜!」 長女れいむは痛みをこらえて父まりさに事情を説明する。 もし父まりさが髪の毛が取れることを知らなかったら母れいむと同じように怒ったであろう。 しかし父まりさは一度カツラがづれて仲間から酷いことを言われているので長女れいむの言葉を理解した。 「れいむもうおこったよ!そんなこというこはもうおいだすよ!」 「でていくのはれいむだよ!」 母れいむが長女れいむを追い出そうと体当たりをしようとするが逆に父まりさの 体当たりを受けて転げていく。 「ゆぶぅ・・・まりさなにするの〜!」 母れいむは涙目になって父まりさに問いつめる。 「こどもたちをころしたれいむはしねっ!」 「れいむこどもたちをころしてないよ!」 2匹は大喧嘩になりボヨンボヨンと跳ねてお互いぶつかり合う。 ゆっくり同志の喧嘩なので他の動物からみたら何を遊んでいるんだとしか見えないが、 本人達はいたって本気である。 やがて喧嘩は激しくなりついにお互いの体を噛みつきあう殺し合いにまで発展してしまった。 2匹は噛みつき合いながら巣の外に転げていった。 「まりさにがみずくな〜れいむはじね〜」 「まりざごそじんでね!れいむはわるぐないよ!」 2匹は喧嘩に必死になりすぎて普段は危なくて近づかない崖の付近にまで 転がっていることに気がつかなかった。 やがて2匹は足を踏み外す。 「ゆぎゃあああだじゅげで〜〜〜!」 「いじゃー!」 2匹は何度も絶壁に体をぶつけ、そのたびに皮がやぶれてぼろぼろになっていく。 しかし運悪く2匹は谷底に落ちても死ぬことができずに、ズタズタに引き裂かれた 体で必死に助けを求める。 「いじゃ・・い・・・じにだぐ・・・ない」 「どぼじで・・・ごんな・・・ごどに・・・」 しかし助けに来るものはだれもおらず、それどころかカラスが寄ってくる始末である。 2匹は生きながらカラスについばまれて死んでいった。 「おかーさんたちどうしてかえってこないの?」 巣に残された長女れいむはケンカになって出ていった親ゆっくり達を待ち続けた。 しかし、親ゆっくり達が二度と帰ってくることはなかった。 やがて長女れいむは空腹になり、妹たちの体を食べてしばらく過ごしたが、 それもなくなり仕方なく外に狩りに出かける。 「ゆ〜かりにいくよ!」 長女れいむは初めての狩りに緊張気味だが、幸いこの付近には餌が豊富にあったので 簡単に餌を見つけることができた。 れいむはホクホク顔で巣に戻ろうとしたとき、強い風が吹いた。 「ゆうっ!かぜさんゆっくりふいてね」 長女れいむは風が吹くとカツラがずれてゆっくりすることが出来ないことを理解していた。 しかし手もないゆっくりはカツラを抑えることが出来ず、カツラは風に乗ってどこかに飛ばされてしまう。 「ゆ〜!かみのけさんまってねとんでいかないでね!」 長女れいむは必死になって追い掛けるがカツラはどんどん飛ばされて行きついに見えなくなってしまった。 その後、ゆっくり駆除剤がヘリによって散布されゆっくりは絶滅した。 やまには大量のハゲ饅頭の死骸が転がり、長女れいむもその中の一匹として虫や動物や細菌によって 土に返されていった。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/5377.html
注)今回は虐待要素が変な方向に向かってますw 僕はゆっくり改造お兄さん! 略してゆ改お兄さんだよ! 僕はゆっくりを直接改造して良個体にする仕事をしてるんだ! 今日はゆっくりを改造するところを見せてあげるよ! ここは僕の働く研究所! ここでゆっくり改造をしてるんだ! 早速僕の作品を見せてあげよう! まずは「絶対にれいぱーにならないゆっくりアリス」 「ゆー!お兄さんはとかいはねー!」 このアリスはどれだけ振っても振動を与えてもれいぱーにならないんだ! 試しにやってみるよ!」 ブンブン! 「ゆー!れいぱーは全然とかいはじゃないわー!!」 「ね!れいぱーにならないでしょ!」 作り方は簡単!発情しにくいゆっくりれみりゃの中身をごく少量スポイトで取り出してアリスに打ち込むだけ! 他にも「プリンの嫌いなれみりゃ」! 普通なられみりゃはプリンが欲しくて駄々をこねることがあるでしょ? でもこのれみりゃは矯正してないのにプリンを欲しがらないんだ! 実際に見てみよう! 普通なら・・・ 「れみぃはぷでぃんが食べたいどーー!!!」 「ぷでぃんくれなきゃやだああああ!!」 うるさいから始末しとこうw 「うーーー!!!いぢゃいどおおおおお!」 「ちゅぶれるどおおおおお!!!!!」 ブチュッ! 気をとりなおして改造ゆっくりだと・・・ 「うーー!おにーさん!おかえりなさいだどー!」 「そうだ!プリンあげようか?」 「うー!れみぃにきをつかわなくてもいいどー!そのかわりに他のゆっくりにやさしくしてあげてほしいど ー! ね?賢いでしょ? 他にも「れみりゃと仲のいいゆっくりふらん」や「衝撃に強いぱちゅりー」などの作品をつくってるんだ! この作品で僕はお金を稼いでるんだ! 次は実際にゆっくりを改造しているところを見せてあげよう! 続く あとがき ついに長編としての作品作りをはじめました! いやーwどんなことも始めることはとてもすがすがしい気にさせてくれます!これからもよろしくお願いします! by No.13 P.S スパゲッティのナポリタンって日本で出来たんですよ!